仙石原村

仙石原村（せんごくはらむら）とは

神奈川県の西部、足柄下郡に位置していた村、仙石原村について解説します。

地理

仙石原村は神奈川県の西部に位置し、中央を東西に早川が流れていました。主な山として金時山や台ヶ岳が挙げられ、早川が村の主要な河川でした。

歴史

仙石原村は、その成立以前から様々な歴史的背景を持っていました。

1626年（寛永3年）：箱根裏街道の監視のために関所が設置され、周辺の山々は御要害山として立ち入りが制限されました。
1670年（寛文10年）：芦ノ湖の水を駿河国深良村へ流すための箱根掘貫工事が完成しました。
1736年（元文元年）頃：大涌谷からの温泉の引き湯が始まりました。
1872年（明治5年）：江川英武が村民共有地を買い上げ県有地としましたが、甲斐国からの開墾は成功しませんでした。
1873年（明治6年）：大地獄が「大涌谷」と改称されました。
1880年（明治13年）：渋沢栄一と益田孝が県有地の原野を払い下げられ、牧場「耕牧舎」を経営しました。

村の成立と発展

1889年（明治22年）：町村制の施行により仙石原村が成立し、足柄上郡から足柄下郡へ所属が変更されました。
1891年（明治24年）：上湯・下湯に温泉旅館が建設され、観光開発が始まりました。
1896年（明治29年）：水飢饉が発生し、地元住民が芦ノ湖の水を確保するために設けられた湖尻逆川堰止めを破壊する「逆川事件」が起こりました。
1898年（明治31年）：大審院が「逆川事件」の訴えを棄却し、芦ノ湖の慣行水利権は静岡県深良村外6か村水利組合が有することとなりました。
1904年（明治37年）：「耕牧舎」の責任者であった須永伝蔵が死去し、「耕牧舎」は営業を廃止。350町を仙石原村に寄付しました。その後、渋沢と増田は、大涌谷の温泉を利用した仙石原の再開発を計画しました。
1912年（明治45年）：大涌谷から俵石までの引湯工事が行われました。
1914年（大正3年）：俵石閣が開業しました。
1917年（大正6年）：富士屋ホテルの山口正造がゴルフ場（後の富士屋ホテル仙石ゴルフクラブ）を開設しました。
1930年（昭和5年）：箱根温泉供給株式会社が発足し、大涌谷から仙石原へ温泉が引湯されるようになりました。
1949年（昭和24年）：仙石原で愛林日記念植樹式が行われ、昭和天皇も行幸されました。
1954年（昭和29年）：温泉造成用水をイタリー水源からポンプアップし、温泉供給が安定しました。

合併

1956年（昭和31年）9月30日、仙石原村は湯本町、温泉村、宮城野村、箱根町と合併し、新たに箱根町となりました。

経済と産業

仙石原村では農業が主な産業であり、農作業の合間には木履（ぼくり）の製造や、神代杉を湯本村周辺に出して挽物細工の材料とするなどの副業が行われていました。

交通

村内を通る主な道路は以下の通りです。

県道箱根御殿場線（現在の国道138号）
県道仙石原元箱根線（現在の神奈川県道75号湯河原箱根仙石原線）
県道仙石原山北線（現在の神奈川県道731号矢倉沢仙石原線）

名所・旧跡・観光スポット

仙石原には、以下のような名所・旧跡・観光スポットがありました。

仙石原
仙石原温泉
耕牧舎跡
大涌谷
* 富士屋ホテル仙石ゴルフクラブ

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