仙石忠政

仙石忠政の生涯と功績

仙石忠政（せんごく ただまさ）は、1578年に羽柴秀吉の家臣である仙石秀久の三男として誕生しました。家族の中では、長兄の久忠が盲目のため検校となり、次兄の秀範は関ヶ原の戦いで西軍に与したため、戦後に父から勘当されました。こうして忠政は嫡男の立場を引き継ぎ、父と共に徳川家康に仕官することになります。

特に関ヶ原の戦いでは父と共に東軍に参加し、西軍の真田昌幸の信濃上田城攻めにも関与しました。この戦いでの功績により、徳川秀忠の「忠」の字を賜り、姓を久政から忠政に改めました。さらに、従五位下・兵部大輔に昇格するなど、彼の地位は次第に向上していきます。

慶長19年、父が亡くなると、忠政は家督を継ぎ小諸藩5万石の第2代藩主となりました。その後、大坂の陣にも参加し、冬の陣では黒門口を担当しました。また、夏の陣では、真田信繁や毛利勝永率いる豊臣軍と交戦し、名だたる戦果を挙げることに成功しました。この戦闘での功労から、元和8年には6万石に加増移封され、信濃上田藩の初代藩主となります。

小諸城主の時代、忠政は父の強権的な治世の影響で逃散した民の帰村や浪人の帰農を促しながら、領内の安定を図りました。また、貫高制から石高制に制度を改革し、領民に対する新しい支配体制を導入しました。

その後、上田城主となった忠政は、真田の後を引き継ぎ、新田開発や産業振興に努めました。兵農分離政策を進めながら、領土を八つの組に分け、各村には庄屋を配置して支配体制の強化を図りました。さらに、寛永3年からは上田城の大規模な改修を始めましたが、寛永5年の4月20日に亡くなり、享年51歳でした。彼の死後、上田城は完成することとなりました。

忠政の上田藩への移封は、彼自身が幕府に願い出た結果とされ、その際に真田信之が書類を焼いてしまったため、忠政は領内の把握に大変苦労したとも言われています。このような逸話も、彼の人物像を浮き彫りにしています。

参考文献

• - 塩川友衛『シリーズ藩物語 小諸藩』、現代書館、2007年8月。

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