代王嘉

代王嘉（だいおう か）

代王嘉は生年・没年不詳で、戦国時代末期における中国の代の王でした。彼の在位は前227年から前222年にわたり、代は趙の亡命政権として機能し、グループの最後の王とされます。彼の姓は嬴、氏は趙で、名は嘉です。

生い立ちと悲劇的な運命

代王嘉は悼襄王の嫡長子として誕生し、当初は太子に指名されました。しかし、父王は他の王后の子である公子遷を後継者にすることを選び、公子嘉は廃嫡されました。この決断は彼の人生に大きな影響を与えました。

悼襄王が亡くなると、公子遷は即位して幽繆王として君臨しました。しかし、前228年に秦軍の将軍王翦が趙の国都である邯鄲を攻め落とし、幽繆王は捕虜となります。この時、代王嘉は家族とともに逃げ、河北省現・張家口市蔚県南西部に位置する代へと移りました。そして、彼は趙の大夫たちによって擁立され、亡命政権としての代を樹立しました。代王嘉は自身を王と名乗り、郡を代表する存在となりました。

燕との連携と抵抗

代王嘉は再び立ち上がり、燕王喜と同盟を結び、秦に対抗する戦略に出ました。代王嘉元年の前227年、燕の太子丹は暗殺者の荊軻を使い、秦王政を暗殺しようとしました。この陰謀が発覚すると、秦軍は燕を侵攻し、代・燕連合軍は苦闘しましたが、結果的に易水の戦で秦軍に敗北しました。

その後、前226年には燕の国都が陥落し、燕王喜と太子丹は遼東へと逃げました。この時代の混乱の中で、代王嘉は燕王喜に対し、太子丹を殺すことを提案しました。この提案は半ば成功し、燕王喜は太子丹を暗殺し、その首を秦に献上したのです。

短命の政権

しかし、和睦の持続は難しく、代王嘉6年の前222年には秦軍が再び攻めてきました。王賁率いる秦軍は遼東を攻め、燕王喜を捕らえ、さらには代の地にも侵攻し、代王嘉を捕虜としました。この結果、代は滅亡し、趙も完全に滅びました。また、王統も消失し、歴史の表舞台から姿を消しました。

代王嘉の短い治世は、戦国時代の騒乱の象徴と言えるでしょう。彼の運命は、権力と運命の儚さを如実に物語っています。この時代の激動の中で、代王嘉は趙の最後の希望として戦いましたが、最終的には悲劇的な結末を迎えました。

注釈

代王嘉の歴史は、『史記』の「趙世家」や「秦始皇本紀」、「刺客列伝」に詳細が記されています。これらの文献は当時の状況を理解するための重要な資料となっています。

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