代議院 (フランス)

代議院の歴史と役割

代議院（だいぎいん）は、19世紀から20世紀初頭のフランスにおいて、さまざまな政治体制の下で存在していた議会の名称です。特に復古王政から第三共和政にかけて、その構成や機能は時代背景に応じて変化してきました。代議院はフランスの政治において重要な役割を果たし、歴史的な出来事の中で議会としての義務を担っていました。

復古王政下の代議院（1814年–1848年）

復古王政の時代、代議院は1814年憲章に基づき設立されました。この時期の代議院は、納税額に基づく制限選挙で選出された議員によって構成されていました。法案の検討や、特に租税の承認が主な任務とされました。議員の任期は5年であり、毎年5分の1が改選されるシステムが取られました。また、議員に立候補するためには、満40歳以上かつ直接税を1,000フラン以上納税する必要がありました。このような選挙方式は、政治的な影響力を特権的な納税者に限定するものでした。

1800年代初めには、ナポレオン1世が復権を果たし、代議院の役割が一時的に変わりましたが、最終的には王政復古の体制が確立されていきました。1815年から1816年にかけての代議院は特に王党派（超王党派）が強い発言権を持っていたため、「またと見出しがたい議会」と称されました。

七月王政下の代議院（1830年–1848年）

1830年の七月革命の後、代議院は新たに設立され、過去の制限選挙に従い議員が選ばれました。この時期は、運動派と抵抗派と呼ばれる二つの立場が議院内で対立し、政権の交代が見られる特徴的な時代でした。特にフランソワ・ギゾーを中心とした保守派が登場し、1840年以降に主導権を握ることとなりました。議員の任期は5年であり、被選挙人になるためには満30歳以上で納税額は500フラン以上必要でした。

国王は代議院を毎年召集する権限を持っており、解散があった場合には3か月以内に新代議院を召集しなければならないというルールがありました。1852年には代議院が再び立法院と改名されます。

第三共和政下の代議院（1875年–1940年）

第三共和政が発足すると、代議院は新たに多数代表制のもとで議員を選出しました。この時期、議員の任期は4年で、520人から600人が選出され、レオン・ガンベタやジュール・フェリー、ジョルジュ・クレマンソーといった著名な政治家たちが活躍しました。また、この時代には議員歳費も導入され、すべての市民が議員になれるよう配慮されていました。

議員選挙は、アロンディスマン投票制を中心に様々な方法で実施され、時には大選挙区制や比例代表制も用いられました。代議院は政府に対する不信任を表明する権限を持ち、特に1877年の緊急事態以降不信任を通じて多くの内閣を倒す能力を持つようになりました。

代議院の終焉

最終的に、代議院の活動は1940年7月9日をもって終了し、エドゥアール・エリオが最後の議長を務めました。その後、ペタン元帥の指導のもとで代議院は固定的に停会され、フランスの政治体制における重要な転換点を迎えました。

このように、代議院はフランスの歴史において政治の流れに大きく影響を及ぼし、多くの変化と革新をもたらしました。

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