仲田徳三

仲田徳三は、1868年（尚泰21年）に沖縄県金武間切金武（現在の国頭郡金武町）で生まれました。父は仲田林之助です。彼は教育者として、また政治家として、沖縄の発展に大きく貢献しました。

1890年、仲田は沖縄県尋常師範学校を卒業しました。その後2年間、国頭郡内の小学校で教鞭を執り、教育者としての第一歩を踏み出しました。1892年には県費留学生として東京の大日本水産会附属水産伝習所に入学し、水産学を学びました。1894年に卒業後、沖縄に戻り水産事業を始めましたが、残念ながら成功には至りませんでした。

その後、仲田は一時鹿児島県に居住した後、再び沖縄に戻り、国頭高等小学校や恩納小学校で教員として教壇に立ちました。1900年12月には台湾に渡り、台湾国語学校で研修を受けました。翌1901年5月からは台中苗粟学校で教鞭を執りました。台湾での教育経験は、彼の視野を広げる上で大きな影響を与えたと考えられます。

1903年8月、仲田は沖縄に戻り、金武間切長（金武村長）に就任しました。彼は1905年8月までその職を務め、地域の発展に尽力しました。その後、上京して日本大学で1年間、法政経済を学びました。この学びは、後の政治活動に役立ったことでしょう。1906年に帰郷した後は農業を営む傍ら、国頭郡組合議員も務めました。

1909年、仲田は沖縄県会議員選挙で初当選を果たし、その後3期連続で県議会議員を務めました。県会議長も務め、県政に深く関わりました。1920年5月には、第14回衆議院議員総選挙で沖縄県第四区から民友倶楽部（立憲政友会系）所属で出馬し、見事当選を果たし、衆議院議員として一期を務めました。

仲田徳三は、教育者として、また政治家として、沖縄の発展に尽力した人物です。彼の足跡は、今日の沖縄の礎を築いたと言えるでしょう。教育者としての経験は、彼が政治家として活動する上での基盤となり、地域社会への貢献に繋がったと考えられます。彼の生涯は、沖縄の歴史において重要な役割を果たしたことを物語っています。

参考文献
衆議院・参議院『議会制度百年史 - 衆議院議員名鑑』大蔵省印刷局、1990年。
沖縄大百科事典刊行事務局編『沖縄大百科事典』下巻、沖縄タイムス社、1983年。
* 楢原友満編『沖縄県人事録』沖縄県人事録編纂所、1916年。

もう一度検索