仲町 (弘前市)

弘前市仲町：武家町の面影を今に伝える、歴史的建造物群保存地区

青森県弘前市、弘前城の北側に位置する仲町は、江戸時代の城下町としての地割が残り、武家町として発展した地区です。この地区は「弘前市仲町伝統的建造物群保存地区」として、昭和53年に国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されました。

弘前藩の城下町、仲町の歴史

弘前市は、津軽地方の中心都市として、弘前城下町を中心に発展しました。慶長5年（1600年）に弘前藩が成立し、弘前城の築城と城下町の整備が始まりました。仲町は、弘前城の北側に位置し、武家町として重要な役割を担っていました。

仲町という地名は、城の北側に位置することから、上町、下町に対して「仲」の文字が用いられたとされています。北に位置することから、追手門（大手門）守護のために武家町が地割りされました。

仲町の町並み

仲町の地割りは、正保3年（1646年）の絵図にも見られるように、碁盤目状に整然と区画されています。道路沿いにはサワラの生垣が連なり、表門や黒板塀が点在するなど、独特の景観を形成しています。これらの要素が、城下町の歴史的な風致を今に伝えています。

保存地区内には、一般公開されている武家住宅が4棟あります。

旧弘前藩諸士住宅（旧笹森家住宅）：
保存地区内で現存する最古の武家住宅で、中下級武士の住居として使われていました。ヒバ材を用いた木造平屋建てで、当時の武士の生活様式を垣間見ることができます。
旧岩田家住宅：
江戸時代後期に建てられた武家住宅で、中流武士の質素な暮らしぶりを伝えています。箱館戦争で津軽部隊の参謀を務めた岩田平吉が住んでいたことでも知られています。
旧伊東家住宅：
元藩医の伊東家の住宅で、藩医時代の生活を偲ばせる建物です。中二階があるのが特徴で、格式高い造りとなっています。
旧梅田家住宅：
嘉永5年（1852年）頃に建てられた武家住宅で、百石の俸禄を得ていた武士・森家の住宅と推定されています。

これらの武家住宅は、当時の武士の生活や文化を伝える貴重な遺構として、多くの観光客に親しまれています。

仲町へのアクセス

仲町へは、JR弘前駅から弘南バスで約15分、「亀の甲門前」で下車後、徒歩2分程度です。

周辺情報

仲町の周辺には、弘前城、弘前公園、津軽藩ねぷた村、長勝寺など、数多くの観光スポットがあります。これらのスポットと合わせて仲町を訪れることで、弘前の歴史や文化をより深く知ることができます。

弘前城：
現存する貴重な天守閣を持つ城で、春には桜が咲き誇り、多くの観光客で賑わいます。
弘前公園：
弘前城跡に整備された公園で、四季折々の自然を楽しむことができます。
津軽藩ねぷた村：
津軽地方の伝統的な祭りであるねぷたを体験できる施設です。
長勝寺：
曹洞宗の寺院で、多くの文化財を所有しています。

仲町は、歴史的な風情が残る、魅力的な地区です。弘前を訪れる際には、ぜひ足を運んでみてください。

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