伊丹勝長

伊丹勝長（いたみ かつなが）

伊丹勝長は、甲斐徳美藩の第2代藩主であり、特に幕府における政治や軍事において重要な役割を果たしました。彼は慶長8年（1603年）に初代藩主の伊丹康勝の長男として生まれました。勝長はその幼少期から徳川秀忠の小姓として仕官し、初めての所領として下総相馬郡に1000石を賜りました。

生涯の主な出来事

仕官と初期の役職

勝長は、寛永10年（1633年）には甲府城の城番に任命され、その後、寛永20年（1643年）には甲斐に流罪となった良純法親王の警護を引き受けることになります。彼の早期の業績は、その後の武士としての地位を確立し、彼の名声を高める結果となりました。

家督相続とその後の活動

承応元年（1652年）、父である康勝の死去を受けて家督を継ぎます。この際、私墾田2620石を弟の岡部勝重に分与し、兄弟間での配分にも配慮を見せました。明暦3年（1657年）には、娘が嫁ぎ、養子が入った肥前国大村藩で隠れキリシタンの摘発事件が発生しました。本来ならこの事態は大村藩にとって致命的な問題であったものの、藩主が勝長を通じて幕府に報告したため、結果的に藩に責任は及びませんでした。

行政と政務

万治元年（1658年）には江戸城の普請に功績を上げ、翌年には従五位下・播磨守に叙位されます。また、万治2年（1659年）には、土佐藩との国境問題で勘定奉行として評定所に参加し、当時の先例を維持することの重要性を訴えました。特に、宇和島藩に対して不利な裁定を行おうとする動きに対して果敢に立ち向かい、「公方に直接進言する」と主張した姿勢は評価されています。

最期

しかし、晩年には悲劇が待ち受けていました。寛文2年（1662年）、勝長は勘定奉行の岡田善政とともに不正会計の調査を行っていた際に、駿河代官の一色直正に刺殺されました。享年60。彼の死は、伊丹家にとって大きな衝撃であり、跡を長男の勝政が引き継ぐこととなりました。

伊丹勝長の生涯は、彼が政務と軍事に献身的に取り組んだことを示し、その功績は後の世代にも影響を与え続けました。

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