伊予灘ものがたり

伊予灘ものがたり

伊予灘ものがたり（いよなだものがたり）は、四国旅客鉄道（JR四国）が運行する臨時特別快速列車で、松山駅と伊予大洲駅、または八幡浜駅を結んでいます。この列車は、四国初の本格的な観光列車として2014年に運行を開始し、地元の風景や食文化を楽しむことができる魅力的なサービスを提供しています。最初は普通列車として運行されていましたが、2021年末に初代車両の老朽化に伴い運行を一時終了し、2022年4月から新しい車両で再開しました。

概要

伊予灘ものがたりは、愛ある伊予灘線を走り、伊予市駅から伊予大洲駅、さらには八幡浜駅に至る美しい沿線を楽しむことができます。車両のコンセプトはレトロモダンで、観光列車ならではの趣向が凝らされています。アテンダントや地元住民のおもてなし、地元食材を使用した食事のサービスもあり、乗客からは高い評価を得ています。特に、2015年には日本経済新聞による観光列車のおすすめランキングで第1位に選ばれ、その人気は乗車率の平均88.7%に表れています。

運行は金曜日から日曜日、および祝日で、各便に異なる名称が付けられることがあります。「大洲編」「双海編」「八幡浜編」では地元食材を使った食事サービスが提供され、「道後編」ではアフタヌーンティーの数量限定サービスが用意されています。食事メニューは各便や季節によって異なり、事前に予約する必要があります。また、スイーツや飲料の車内販売も行われており、電子マネーのPayPayが利用できるのも便利です。全席が特急列車のグリーン車扱いで、特別料金が必要です。

運行状況

伊予灘ものがたりは、松山駅を起点とし、運行ごとに異なる食事メニューを提供しながら1往復ずつ運行します。運行経路には伊予市駅や下灘駅、喜多灘駅、さらに双海編については伊予長浜駅、八幡浜編では北伊予駅なども含まれます。これに加えて、特定の臨時サービスとして『伊予灘ものがたり 南予きずな旅』も運行され、これまでの運行とは異なる特別な体験を提供しています。

車両について

初代の車両は2両編成で、キハ47形を改造したものでした。そのデザインは地元の夕焼けや太陽の色を取り入れ、和のテイストを生かしたインテリアが施されています。利用客は富士山の風景を楽しむため、本車両は展望シートが完備されており、多くの座席が伊予灘の景色を迎える配置になっています。2022年に運行を開始した2代目車両では、若干のデザインの変更が施され、特別な個室も設けられています。

このように伊予灘ものがたりは、ただの移動手段にとどまらず、訪れる人々に四国の豊かな自然と文化を体験させる、特別な旅の提供をしています。各種サービスや美味しい食事を楽しみながら、四国の魅力を感じることができる貴重な列車と言えるでしょう。

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