伊作犬安丸

伊作犬安丸（いざく いぬやすまる）は、室町時代に活躍した武将であり、薩摩国（現在の鹿児島県西部）の有力豪族である島津氏の分家、伊作氏の7代目当主です。嘉吉2年（1442年）に生まれ、長禄2年12月4日（1459年1月8日）に16歳の若さでこの世を去りました。

生涯

犬安丸は、伊作氏6代当主である伊作教久（いざく のりひさ）の息子として誕生しました。しかし、父・教久が亡くなったため、わずか1歳で家督を継ぐこととなりました。幼くして当主となった犬安丸でしたが、その後の生涯についてはあまり詳しい記録は残されていません。しかし、彼が16歳で急逝したことは、歴史の中で特筆すべき出来事として伝えられています。

長禄2年（1459年）のこと、犬安丸は伊集院諏訪神社（現在の鹿児島県日置市伊集院町）の祭典に出席していました。祭典が滞りなく終了した後、犬安丸は突然亡くなったとされています。享年16歳という若さでの急死は、当時大きな衝撃を与えたと考えられます。彼の死因については、毒殺説も浮上しましたが、真相は現在も不明のままです。

犬安丸の死後、伊作家は後継者を必要としていました。そこで、島津本家9代当主である島津忠国（しまづ ただくに）の三男、久逸（ひさやす）（幼名：亀房丸（かめぼうまる））が、鎌田政年（かまた まさとし）の手回しによって、犬安丸の妹を妻に迎える形で伊作家の養子となり、家督を継承することとなりました。これにより、伊作家は島津氏一族の支配下に入り、その勢力を拡大していくことになります。

犬安丸の生涯は短く、記録も少ないため不明な点が多いですが、室町時代の動乱期において、地域社会に大きな影響を与えた人物の一人であったと考えられます。

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