伊勢半

株式会社伊勢半は、1825年に江戸で創業した紅屋「伊勢屋半右衛門」を起源とする、日本の歴史ある総合化粧品メーカーです。創業者の澤田半右衛門は、玉虫色に輝く小町紅を独自に開発し、その美しさが評判となり、伊勢半は江戸で随一の紅屋として知られるようになりました。

1936年には、化粧品ブランド「キスミー(Kiss Me)」を商標登録し、化粧品メーカーとしての基盤を築きます。しかし、第二次世界大戦で大きな被害を受け、一時的に澤田半右衛門商店として再建されました。戦後の物資不足の中、植物性油脂やラノリンを配合した「キスミー特殊口紅」を発売すると、その品質の高さから大ヒット商品となりました。

1947年に株式会社へ改組し、社名を現在の伊勢半としました。その後も、1955年に発売した「キスミースーパー口紅」は、色落ちしにくい口紅として人気を集めました。同年には、販売会社としてキスミー販売株式会社を設立し、1965年には株式会社キスミーコスメチックスに社名を変更しています。

1988年には伊勢半研究所を設立し、研究開発体制を強化しました。2005年には、株式会社キスミーコスメチックスと株式会社伊勢半が合併し、新たに株式会社伊勢半として組織を再編しました。この際、品質マネジメントの国際規格であるISO 9001-2000の認証を取得し、品質管理体制の強化も図っています。

海外展開にも積極的で、2007年には伊勢半(天津)化粧品有限公司を設立し、中国市場への進出を果たしました。その後も、2018年にKOREA KISSME Co., Ltd.、2019年にKISSME (THAILAND) Co., Ltd.を設立し、グローバルブランドとしての地位を確立しています。

伊勢半は、長年の歴史の中で、「キスミー」、「キスミー フェルム」、「ヒロインメイク」、「ヘビーローテーション」、「マミー」、「KISSME P.N.Y.」、「kiss」、「キスミーシャインパステルピンク」など、数々の人気ブランドを生み出してきました。これらのブランドは、幅広い世代の女性から支持されています。

また、関連企業として、株式会社伊勢半本店、株式会社伊勢半、株式会社エリザベス、マーシュ・フィールド株式会社、アイカーケミカル株式会社などがあります。海外にも、伊勢半(天津)化粧品有限公司、伊勢半(上海)化粧品貿易有限公司、KOREA KISSME Co., Ltd.、KISSME (THAILAND) Co., Ltd.といったグループ会社を展開しています。

伊勢半は、創業から200年近くにわたり、常に時代のニーズに応える高品質な化粧品を提供し続けています。その歴史と実績は、日本の化粧品業界において、確固たる地位を築いています。

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