伊勢美登

伊勢美登（いせ よしのり）

伊勢美登は、大正13年（1924年）に奈良県で生まれ、平成21年（2009年）に83歳で没した神職です。橿原神宮の宮司を務め、神道界において重要な役割を果たしました。

生涯

出生から神道へ

大正13年（1924年）12月9日、伊勢美登は奈良県に生を受けました。昭和16年（1941年）に畝傍中学校を卒業後、昭和18年（1943年）には運輸省水路部技術官養成所を修了し、海軍気象部に入部。戦時中は海軍の一員として従事しました。

戦後、昭和27年（1952年）に奈良県神社庁の録事に就任し、神道の世界へ足を踏み入れます。昭和29年（1954年）には橿原神宮に出仕し、昭和33年（1958年）に権禰宜、昭和43年（1968年）には禰宜へと昇進しました。平成9年（1997年）4月1日には権宮司に就任し、着実にキャリアを重ねました。

橿原神宮宮司として

平成12年（2000年）5月15日、伊勢美登は橿原神宮の宮司に昇任しました。同年8月8日には、御鎮座百十年記念献燈祭を斎行し、橿原神宮の歴史を祝いました。宮司として、伊勢は橿原神宮の運営と発展に尽力しました。

平成14年（2002年）5月29日、神武天皇陵への参拝を終えた当時の天皇・皇后両陛下が橿原神宮に到着された際、伊勢は両陛下を幣殿まで先導するという大役を果たしました。これは、宮司としての伊勢の信頼と地位を示す出来事でした。

平成15年（2003年）には、奈良県神社庁長に就任し、平成19年（2007年）まで務めました。また、神社本庁監事、同評議員、国民精神研修財団監事、神道政治連盟監査委員長、同連盟奈良県本部長など、数々の要職を歴任し、神道界の発展に貢献しました。

平成19年（2007年）9月30日、伊勢美登は長年の奉仕を終え、橿原神宮の宮司を退任し、名誉宮司に就任しました。退任後も、神道界への貢献を続けました。

平成21年（2009年）5月18日22時5分、伊勢美登は橿原市内の病院で心不全により逝去しました。83歳でした。葬儀は同年7月4日にセレモニーホール橿原で橿原神宮葬として執り行われ、多くの人々がその死を悼みました。喪主は長男の伊勢文一が務めました。

著作

「天皇皇后両陛下の橿原神宮御親拝を仰いで」『祖国と青年』第287号、日本青年協議会、2002年8月、8-10頁。

系譜

父親：伊勢岩吉
長男：伊勢文一

参考文献

『神道人名辞典』神社新報社編、神社新報社、1986年7月8日。
* 『橿原神宮史続編』田浦雅徳監修、橿原神宮庁、2020年4月2日。

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