田浦雅徳

田浦雅徳

田浦雅徳氏は、昭和28年(1953年)11月生まれの日本の歴史学者です。皇學館大学文学部国史学科教授を経て、現在は同大学名誉教授の職にあります。

人物

熊本県出身の田浦氏は、昭和63年(1988年)に東京大学文学部国史学科を卒業。平成8年(1996年)には、東京大学大学院博士課程を修了し、博士号を取得しました。博士論文のテーマは「昭和初期の外交選択」です。

学位取得後は、准教授'>[群馬大学]]、聖心女子大学、白百合女子大学、立命館大学、人間環境大学などで非常勤講師を歴任し、教育者としての経験を積みました。平成9年(1997年)からは皇學館大学に籍を移し、助教授]として教鞭を執り、平成22年([[2010年)から令和5年(2023年)まで教授を務めました。

研究活動以外にも、特定非営利活動法人咢堂香風理事長などの社会的な要職も務めています。

研究内容

田浦氏の専門は日本近現代史であり、特に昭和初期の外交史、日伊関係史、高橋亀吉の研究などで知られています。

昭和初期の外交

博士論文のテーマである「昭和初期の外交選択」をはじめ、昭和10年代の外務省革新派の情勢認識や政策、伊エ紛争における日本の対応など、昭和初期の日本の外交政策について詳細な研究を行っています。

日伊関係

イタリア・エチオピア間の紛争(戦争)と日本の対応、特に昭和10年の杉村声明事件を中心に、1930年代の日伊関係について研究しています。また、エチオピア戦争をめぐる日本の対応から、当時の日伊関係の様相を分析しています。

高橋亀吉

経済学者である高橋亀吉の日本資本主義経済「行詰(いきづまり)」論や、高橋亀吉と「政治研究会」の関係について研究しています。特に、高橋亀吉の「無産政党綱領私案」と産業振興策を中心に分析しています。

著書

田浦氏は、多数の著書や論文を発表しています。主な著書としては、以下のものがあります。

『日本史史話 近代・現代史』(共編著、山川出版社、1994年)
『続・現代史資料5 海軍 加藤寛治日記』(みすず書房、1994年)
『武部六蔵日記』(芙蓉書房出版、1999年)
『岐阜県史 資料編』(岐阜県、2003年)
『検定お伊勢さん』(伊勢商工会議所・伊勢文化舎、2006年)
『文化庁補助事業伊勢神宮領農村文書調査報告書I 解題編 翻刻編』(伊勢市総務部総務課市史編さん係、2008年)
『橿原神宮史 続編』(国書刊行会、2020年)
『日露戦争-戦場外のたたかい 高橋是清と戦費調達』(皇學館大学出版部、2006年)


これらの著作を通じて、日本近現代史研究に大きく貢献しています。

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