伊号第三十三潜水艦

伊号第三十三潜水艦について

伊号第三十三潜水艦は、大日本帝国海軍が運用していた潜水艦で、伊十五型に属する14番艦です。この艦はその名称や設計にまつわる事故から、特に「3」に関連した異常な出来事が多発したことで知られています。

設計の特徴

この潜水艦の排水量は2198トンで、満載時には3000トンを超える大きさがあります。水上速度は24ノットに達し、小型の水上機1機を搭載可能です。また、カタパルトを装備し、後甲板には14cm砲が1門、魚雷発射管が6門設置されています。

艦歴の詳細

伊号第三十三潜水艦は、1939年に開始された第四次海軍軍備補充計画の一環で設計されました。三菱重工業の神戸造船所で建造が進められ、1941年に伊号第四十一潜水艦として命名され、後に現在の名前に変更されました。1942年6月10日に竣工し、呉鎮守府に所属し、第六艦隊の一員として任務に就きました。

初回の沈没

艦の運命は1942年8月に大きく変わります。伊33は呉を出港し、トラックを経由してソロモン諸島へ向かいました。24日の第二次ソロモン海戦では、浮上航走中に米空母エンタープライズから発進したドーントレスの空爆を受け、急速潜航して撃退しました。しかし、28日に珊瑚礁に衝突し、その後の修理中に事故が発生しました。條倉司令による誤った操作により艦が沈んでしまい、結果として大量の乗員が亡くなりました。

二回目の沈没

その後、修理と改修を受けた伊33は、1944年6月に再び出港しましたが、訓練中の浸水事故によって再度沈没しました。この時、艦内に閉じ込められた乗員の多くは窒息して命を落とし、わずか数名の生存者が出たものの、悲しい結果となりました。

引き揚げとその後

1953年には、北星船舶工業によって艦は浮揚され、事故当時の状況を反映したかのように、多くの遺体や遺書が発見されました。これにより、この艦にまつわる不運の歴史はさらに深まります。

軍艦に関するジンクス

艦名に「33」が含まれ、建造したのが三菱であることや、事故による死亡者数が33名に達するなど、「3」に対する不吉な印象が大きく影響しました。戦時中、特に「3」は不吉な数字とされ、士気に影響したとされます。

歴代艦長

艦長には小川綱嘉中佐や和田睦雄少佐が就任し、それぞれ艦の運命を担いました。しかし、和田少佐は最終的に殉職することになります。

慰霊碑

伊号第三十三潜水艦の犠牲者たちを悼むため、愛媛県松山市の興居島に慰霊碑が建立されており、彼らの記憶が長く語り継がれることを願っています。

結論

伊号第三十三潜水艦は、その設計上の特徴や歴史的背景、数々の事故とそれに伴う悲劇を通じて、日本の海軍史において重要な存在であり続けています。この潜水艦は同時に、海軍兵士たちの勇気と悲劇を語る象徴でもあるのです。

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