伊号第三百六十五潜水艦

伊号第三百六十五潜水艦の概要

伊号第三百六十五潜水艦（いごうだいさんびゃくろくじゅうごせんすいかん）は、大日本帝国海軍に所属していた潜水艦です。この艦は、伊三百六十一型潜水艦の5番艦として1942年に建造計画が始まりました。1943年5月15日に横須賀海軍工廠で起工し、同年12月17日に進水。1944年8月1日に竣工し、横須賀鎮守府に籍を置きました。この艦は、特に輸送任務に従事し、戦局の厳しい状況下での重要な役割を担っていました。

軍歴

「伊365潜」は、1944年8月1日に竣工してすぐに第十一潜水戦隊に編入され、その後1944年9月30日に第七潜水戦隊に移されました。艦の運用は主にトラックへの物資輸送に集中していました。11月1日、艦は横須賀を出港し、トラックを目指しました。11月15日にトラックに到着し、艦上には様々な搭乗員や整備員が乗船していました。その中には小田喜一飛曹長の名も確認されています。

しかし、11月16日にトラックを出航した後、艦は連絡が途絶え、11月25日に消息不明となりました。その後の調査により、艦は11月28日に東京湾南方でアメリカの潜水艦「スキャバードフィッシュ」によって撃沈されたことが確認されました。「スキャバードフィッシュ」は生存者として一名、佐々木という艦員を救助しています。軍当局は12月10日に艦の喪失を正式に認定し、1945年3月10日には除籍されました。

歴代艦長

「伊365潜」の歴代艦長には、中村元夫（少佐）がいます。彼は1944年8月1日から11月28日までの間、艦を指揮しました。中村元夫少佐の父は中村亀三郎という人物であり、軍歴を持つ家庭の出身でした。彼の命令のもと、艦は多くの困難に立ち向かいながら任務を遂行しましたが、悲劇的な結末を迎えました。

参考文献

この潜水艦の詳細な情報に関しては、以下の参考文献が役立ちます。

• - 雑誌「丸」編集部『写真 日本の軍艦 第12巻 潜水艦』光人社、1990年。
• - 外山操『艦長たちの軍艦史』光人社、2005年。
• - 福井静夫『写真日本海軍全艦艇史』ベストセラーズ、1994年。
• - 防衛庁防衛研修所戦史室『戦史叢書第98巻　潜水艦史』朝雲新聞社。
• - 吉野泰貴『輸送潜水艦伊号第361型列伝　命を繋いだ12隻の航跡』大日本絵画、2020年。

「伊365潜」は、海軍の歴史の中で重要な役割を果たし、数多くの艦員の命と共に過去の記憶として語り継がれています。

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