中村亀三郎

中村亀三郎

中村亀三郎（なかむら かめざぶろう、1884年1月28日 - 1944年11月2日）は、日本の海軍軍人。最終階級は海軍中将。

経歴

高知県高知市に生まれた中村亀三郎は、京観世高安流能楽師の家に育ちました。海軍兵学校を卒業後、海軍少尉に任官。海軍大学校では航海術を専修し、優秀な成績を収めました。

初期には、砲艦「宇治」や海防艦「武蔵」「秋津洲」、巡洋艦「利根」で航海長を歴任し、航海術のエキスパートとしての経験を積みました。また、海軍兵学校教官として後進の育成にも携わっています。

海軍大学校甲種を卒業後は、戦艦「香取」航海長、横須賀鎮守府参謀、軍令部参謀などを経て、現場と戦略立案の両面でキャリアを重ねました。練習艦隊参謀としては、実戦部隊の運用にも関与。

その後、軽巡洋艦「那珂」と「利根」の艦長を歴任。艦長として、部隊の指揮・統率能力を発揮しました。軍令部では第1班第2課長として、作戦計画の策定に携わり、ロンドン軍縮会議にも随員として参加するなど、国際的な舞台でも活躍しました。

重巡洋艦「加古」と戦艦「長門」の艦長を経て、第2艦隊参謀長に就任。1931年には海軍少将に進級し、海軍省教育局長、練習艦隊司令官、軍令部第1部長といった要職を歴任しました。

1935年には海軍中将に昇進。海軍大学校校長、舞鶴要港部司令官、佐世保鎮守府司令長官を歴任し、海軍の教育、防衛体制の強化に尽力しました。1940年に予備役に編入された後も、1943年から高知造船株式会社社長を務め、海軍を退いた後も日本の発展に貢献しました。

栄典

1907年（明治40年）2月12日 - 正八位
従三位勲一等

親族

妻：セイ
長男：元夫（海軍少佐）。妻は春子（義父は岩下保太郎海軍少将、義母は岩下ハツ（山屋他人海軍大将長女））

参考文献

秦郁彦編『日本陸海軍総合事典』第2版、東京大学出版会、2005年。
外山操編『陸海軍将官人事総覧 海軍篇』芙蓉書房出版、1981年。
福川秀樹『日本海軍将官辞典』芙蓉書房出版、2000年。
海軍歴史保存会編『日本海軍史』第9巻、発売:第一法規出版、1995年。
* 『高知県人名事典』高知市民図書館、1970年。

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