伊号第十五潜水艦 (初代)

伊号第十五潜水艦（初代）

伊号第十五潜水艦（初代）（いごうだいじゅうごせんすいかん）は、日本海軍が建造した潜水艦であり、伊十五型[[潜水艦]]の1番艦として知られています。1942年12月、ソロモン諸島海域で喪失が認定され、その生涯を終えました。本艦の除籍後、伊十三型[[潜水艦]]の3番艦がその艦名を襲名しましたが、未完成に終わりました。2代目については、伊号第十五[[潜水艦 (2代)]]を参照してください。

艦歴

計画-竣工

1937年（昭和12年）の第三次海軍軍備補充計画（マル3計画）において、潜水艦乙、仮称艦名第37号艦として計画されました。1938年（昭和13年）1月25日に呉海軍工廠で起工され、1939年（昭和14年）1月20日には伊号第十五潜水艦と命名され、伊十五型[[潜水艦]]の1番艦となりました。同年3月7日に進水し、12月5日には艤装員事務所が呉海軍工廠内に設置され事務を開始しました。1940年（昭和15年）9月30日に竣工し、艤装員事務所は撤去されました。本籍は横須賀鎮守府に定められ、11月15日には伊16と共に第六艦隊第1潜水戦隊隷下に第1潜水隊が新編されました。これは、C1型からなる先代の第1潜水隊が、所属艦の除籍により1929年（昭和4年）4月1日に解隊されて以来、4代目となるものでした。

中国大陸沿岸

12月10日、第1潜水隊の司令潜水艦は伊16から伊15に変更されました。1941年（昭和16年）2月19日からは中国大陸沿岸で対支作戦に従事し、3月4日には内地に帰還して練成を行いました。8月7日、第1潜水隊の司令潜水艦は一時的に伊17に変更されましたが、9月9日には伊15に戻されました。

太平洋戦争緒戦-K作戦

11月21日、戦備を整えた伊15は横須賀を出港しました。12月8日の真珠湾攻撃ではオアフ島北方沖を哨戒し、9日には伊6がオアフ島沖でレキシントン級空母1隻と巡洋艦2隻を発見したため、迎撃に向かいました。14日にはアメリカ西海岸沿岸における通商破壊作戦に参加し、サンフランシスコ西方沖のファラロン諸島北方沖に移動しました。1942年（昭和17年）1月11日にはクェゼリンに到着し、K作戦の準備として対飛行艇用燃料補給設備の工事や、第二十四航空戦隊横浜海軍航空隊の十三試大艇との連合訓練が命じられました。1月31日には軍隊区分先遣部隊第一潜水部隊に配置されました。2月1日、クェゼリンはマーシャル・ギルバート諸島機動空襲を受けましたが、伊15に被害はありませんでした。その後、迎撃に向かいましたが空振りに終わり、5日にクェゼリンに到着しました。同日、第2潜水隊所属の伊18、伊20と交代する形で、伊17と共に第2潜水隊に編入されました。

2月上旬、K作戦の訓練を実施し、20日にはラバウルを空襲した米機動部隊を迎撃するためクェゼリンを出港しましたが失敗しました。3月2日にはフレンチフリゲート礁に到着し、二式飛行艇への燃料補給を行いました。4日、K作戦を終えて横須賀へ向かう途中、米第16任務部隊による南鳥島空襲を受けたため、東京湾東方沖の散開線で捜索と哨戒にあたりましたが、こちらも空振りに終わりました。18日には散開線を離れ、21日に横須賀に到着しました。その後、4月23日まで修理と整備を行い、修理後は訓練に従事しました。

アリューシャン攻略作戦

5月11日、伊15は軍隊区分北方部隊に編入され、15日に横須賀を出港、17日に大湊に到着しました。19日にはAL作戦に参加して大湊を出港し、第2潜水戦隊の支援を行った後、アリューシャン列島南方沖を哨戒しました。27日にはコディアック島を偵察し、6月7日には米PBYカタリナに発見され攻撃を受けましたが、被害はありませんでした。その後、キスカ西方沖の散開線に到達して哨戒し、19日にはダッチハーバーを潜望鏡偵察しました。29日には哨戒区域を離れ、30日には北方部隊作戦指揮を解かれ、第六艦隊指揮下に復帰しました。7月7日には横須賀に到着し、修理と整備に従事しました。

ソロモン方面-沈没

8月10日、第2潜水隊の司令潜水艦は伊19に変更されました。整備を完了した伊15はインド洋方面の作戦に投入される予定でしたが、ソロモン諸島方面に機動部隊が出現したため、8月15日に横須賀を出港してソロモン諸島方面に向かいました。23日にはサンタクルーズ諸島東方沖の散開線に到着し哨戒を開始しました。25日0145には米空母エンタープライズ、戦艦ノースカロライナ、巡洋艦2隻、駆逐艦5隻からなる米機動部隊を発見しました。28日深夜、サンクリストバル島東方沖を哨戒中に南進する米空母を発見しました。9月15日には、伊19の雷撃を受けて大破していた米空母ワスプが沈んでいく場面に遭遇しました。20日には哨戒区域を離れ、25日にトラックに到着しました。

10月5日、伊17はトラックを出港し、ガダルカナル島東方沖に進出し哨戒を開始しました。22日にはサンクリストバル島西方沖の散開線に移動し、27日にはエスピリトゥサント島西方200浬地点付近で、サンタクルーズ諸島を出港して南に向かう米艦隊を発見しました。同日、サンクリストバル島南西沖に移動しました。11月3日1701の定時連絡を最後に消息不明となりました。

アメリカ側の記録によると、10日0230、ガダルカナル島へ輸送物資を搭載して航行中の米掃海駆逐艦サウザードが浮上した潜水艦を発見し、砲撃を開始したところ、潜水艦は急速潜航していきました。その後、潜水艦は魚雷2本を発射しましたが、サウザードはこれを回避しました。0242にはサウザードが潜航中の潜水艦を探知し、数時間にわたって6回の爆雷攻撃を行いました。この時、現場海域から15浬南方で哨戒中の伊17が、現場海域での爆雷攻撃の音を聴取しています。1003、潜水艦が浮上してきたため、サウザードは1900mの距離で砲撃を開始しました。やがて、砲弾1発が潜水艦の司令塔に命中し、潜水艦は艦首から沈没しました。これが伊15の最期の瞬間であり、艦長の石川信雄中佐以下乗員91名全員が戦死しました。

12月5日、ガダルカナル島方面で戦没と認定され、12月24日には第2潜水隊と伊十五型[[潜水艦]]から削除され、帝国潜水艦籍から除かれました。本艦の艦艇類別等級別表からの削除時に、伊十五型の艦型名は伊十七型に改められました。

潜水艦長

艤装員長

大山豊次郎 中佐：1939年12月1日 - 1940年9月30日

潜水艦長

大山豊次郎 中佐：1940年9月30日 - 1940年12月20日
石川信雄 中佐：1940年12月20日 - 1942年11月10日戦死（12月5日戦死認定、同日付で海軍大佐に任官）

脚注

注釈

なし

出典

下記に示す

参考文献

海軍省
内令各号
達各号
海軍公報（部内限）各号
海軍辞令公報（部内限）各号
内令提要
第一潜水隊支那事変第九回功績概見表
第一潜水隊支那事変第十回功績概見表
第六艦隊戦時日誌
坂本正器/福川秀樹 『日本海軍編制事典』、芙蓉書房出版、2003年。ISBN 4-8295-0330-0
雑誌「丸」編集部『写真 日本の軍艦 第12巻 潜水艦』光人社、1990年。ISBN 4-7698-0462-8
戦史叢書 第31巻 『海軍軍戦備(1) -昭和十六年十一月まで-』、朝雲新聞社、1969年。
福井静夫『写真日本海軍全艦艇史』ベストセラーズ、1994年。ISBN 4-584-17054-1
丸スペシャル No. 110 太平洋戦争海空戦シリーズ 『潜水艦作戦』、潮書房、1986年。

外部リンク

I-15（英語） - 伊15の艦歴を紹介。

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