伊号第四百四潜水艦

伊号第四百四潜水艦の概要

伊号第四百四潜水艦は日本海軍の未成潜水艦であり、伊四百型潜水艦の4番艦として計画されました。この艦は戦後に解体されましたが、艦の歴史は興味深いものです。

艦歴

この艦は改⑤計画に基づく潜水艦特にあたる第5231号艦型の5番艦として設計され、仮称艦名第5235号艦という名称で計画されました。1943年11月8日、呉海軍工廠にて起工され、新たな潜水艦の建造が始まりました。

1944年6月5日には伊号第四百四潜水艦と命名され、呉鎮守府の本籍が仮定されます。これにより、伊四百型潜水艦の中での位置づけが確定し、その後、7月7日に進水した際には本籍が再び呉鎮守府に定められました。

しかし、その後の歴史は悲劇的な展開を見せます。1945年6月4日、工事が95%進んだ段階で工程が中止され、船体は倉橋島に疎開されることとなりました。同年7月28日、呉軍港が空襲を受け、この艦は被爆してしまい、大破を免れませんでした。その後、自沈処分が行われ、8月17日にはさらに工事の中止が正式に発令されました。

戦後、艦の運命は変わることになります。1951年12月9日には日本サルヴェージによって浮揚され、1952年中に解体が完了しました。これにより、伊号第四百四潜水艦の歴史は幕を閉じることとなりました。

参考文献

この艦に関する詳細な資料は、海軍省の文書や各種専門書に残されています。特に、昭和18年12月22日付の内令第2778号や、昭和19年の達第181号、内令第734号、内令第738号などの公式文書は、艦の設計や建造進捗に関する貴重な情報を提供しています。また、戦時中の呉鎮守府の日誌や、海軍艦政本部が編纂した『伊四〇〇潜水艦型 一般計画要領書』も参考になります。

さらに、複数の専門誌や書籍もこの潜水艦の歴史に貢献しており、海人社が発行した「世界の艦船」シリーズは、幅広い視野で潜水艦史を扱っています。福井静夫氏の著作や防衛研修所戦史室の『戦史叢書』も、艦艇の歴史や造船の過程を知る手助けとなるでしょう。これらの文献を通じて、伊号第四百四潜水艦の歴史はより深く理解されることができます。

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