伊号第百五十二潜水艦

伊号第百五十二潜水艦の概要

伊号第百五十二潜水艦（いごうだいひゃくごじゅうにせんすいかん）は、大日本帝国海軍が建造した潜水艦であり、艦級は海大2型です。この艦は同型艦を持たない唯一の存在で、1925年に竣工しました。当初の艦名は伊号第五十二潜水艦でしたが、1942年に現在の名称に改称されています。

建造と設計

本艦は海大1型と同様、八六艦隊案に基づいて計画されました。計画番号S25に属し、1925年5月20日に呉海軍工廠で竣工し、呉鎮守府籍となります。設計段階では、主機は大出力ディーゼル機関（3,400馬力）を採用し、そのために主機を2基搭載しました。この新規機関は、従来の艦（伊51）のディーゼル機関とは異なり、より高い出力と航行速度を実現することが期待されました。

公試の結果、艦の航行速度は21.5ノットに達しましたが、実際の運用時には故障のため19.5ノットが限界でした。兵装面では、艦は12cm砲と8cm高角砲を装備しており、昭和時代に入ると留式7.7mm機銃に置き換えられました。探信儀としてケルビン式が導入されたとの記録もあります。

潜水隊の編成と運用

1925年12月1日には、伊号第五十一潜水艦（伊51）と共に第二艦隊第2潜水戦隊第17潜水隊を編成しました。潜水隊は呉鎮守府に所属し、さまざまな訓練や改修が行われました。しかし、1927年3月8日には機関の爆発事故が発生し、5名の乗組員が重軽傷を負う事件が起こりました。その後、艦は母艦長鯨により呉海軍病院へ搬送されました。

その後、1935年11月15日の第17潜水隊の解隊に伴い、呉鎮守府付属としての地位を保持します。1939年には舞鶴鎮守府籍に変更され、太平洋戦争直前には老朽化により練習潜水艦として使用されました。1942年5月20日、艦名が改称されましたが、同年8月1日には除籍されました。

解体

以降、伊号第百五十二潜水艦は呉港に係留されたまま、海軍潜水学校の練習艦としての役割を果たします。1946年から1948年にかけて、播磨造船所呉船渠で解体され、艦の歴史は幕を閉じました。

終わりに

伊号第百五十二潜水艦は、数少ない日本の潜水艦に関する記録の一つであり、艦艇の技術的進歩や運用の実態を反映しています。この艦の歴史は、当時の海軍の思惑や技術、またその後の改良型へとつながる重要な側面を持っています。やがて登場する多くの艦艇の基盤ともなったこの艦の存在は、日本の海軍における潜水艦の発展に寄与しました。

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