伊号第百八十四潜水艦

伊号第百八十四潜水艦の概要

伊号第百八十四潜水艦（いごうだいひゃくはちじゅうよんせんすいかん）は、日本海軍が運用した潜水艦の一隻です。この艦は、伊百七十六型潜水艦、通称海大VII型の9番艦として知られています。1942年に起工され、翌年までの短期間に多くの海域を巡る行動を展開しました。

艦歴の詳細

艦の建造は1942年4月1日、横須賀海軍工廠において開始されました。そして1942年12月12日に進水し、その後1943年10月15日に竣工を迎えます。竣工後は佐世保鎮守府に所属し、第1艦隊第11潜水戦隊に編入されました。

1944年1月31日には第6艦隊第22潜水隊に移籍し、新たな任務に就くこととなります。2月26日に佐世保を出航し、29日には大湊に入港。その後、3月4日に大湊を再度出航し、アリューシャン方面での行動を開始します。3月11日には幌筵島に到着し、翌日には再び出航します。

4月には数回にわたり大湊と横須賀を行き来する運用を行い、特に5月20日には横須賀を出発しました。6月にはマーシャル諸島のミレ島での輸送任務を成功裏に完了し、グアム方面へと移動するよう命じられます。

しかし、1944年6月19日、サイパンの南東で米護衛空母「スワニー」に伴った艦載機の攻撃に直面し、伊号第百八十四潜水艦は戦没、この時に艦長の力久松次少佐を含む96名全員が戦死しました。その後、7月12日にはサイパン付近で艦の損失が正式に認定されました。

歴代艦長

この艦の艦長史においては、艤装員長として力久松次少佐が1943年9月10日から就任し、艦長としては1943年10月15日から1944年6月19日まで在任していました。力久艦長は艦の運命を共にし、悲劇的な結末を迎えました。

文献参考

伊号第百八十四潜水艦に関する詳細な情報は、いくつかの文献に記録されています。例えば、雑誌「丸」編集部による『ハンディ版 日本海軍艦艇写真集19巻』や、勝目純也の『日本海軍の潜水艦 - その系譜と戦歴全記録』において詳しい情報が掲載されています。また、海軍歴史保存会による『日本海軍史』や外山操の『艦長たちの軍艦史』も貴重な参考資料の一つです。

このように、伊号第百八十四潜水艦は日本海軍の潜水艦史において重要な役割を果たしました。その短い運用期間の中で、多くの困難と闘い抜いた艦艇の歴史は、今日でも多くの人々に語り継がれています。

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