伊百七十六型潜水艦

伊百七十六型潜水艦

伊百七十六型潜水艦（いひゃくななじゅうろくがたせんすいかん）は、大日本帝国海軍に属する潜水艦の艦級であり、海大VII型（かいおおなながた）または新海大型とも称される。この艦級は海大型潜水艦の最後のシリーズであり、合計で10隻が建造された。残念ながら、事故や戦争によって全艦が失われてしまった。

概要

伊百七十六型潜水艦は、1939年（昭和14年）度の計画に基づき建造され、1942年から1943年にかけて竣工した。計画番号はS41に割り当てられ、ほぼ海大VI型と同じ寸法を持っていた。この艦級の設計では運動性能を向上させ、潜航時間を短縮することが特に重視された。

魚雷発射管は艦尾から廃止され、設定した6本の発射管は全て艦首に配置された。搭載する九五式酸素魚雷の数は12本に減少したが、機銃として25mmの連装機銃1基を装備していた。

戦歴

太平洋戦争中、伊百七十六型潜水艦は主にソロモン諸島やニューギニア、サイパン方面で戦闘に参加した。これらの艦は通商破壊や物資輸送任務に従事し、合計6隻の商船およびタンカーを撃沈したが、運命により全艦が事故や戦闘で失われてしまった。

同型艦一覧

• - 伊号第百七十六潜水艦：1942年8月4日竣工、1944年5月16日沈没。
• - 伊号第百七十七潜水艦：1942年12月28日竣工、1944年10月3日沈没。
• - 伊号第百七十八潜水艦：1942年12月26日竣工、1943年6月17日沈没。
• - 伊号第百七十九潜水艦：1943年6月18日竣工、1943年7月14日沈没。
• - 伊号第百八十潜水艦：1943年1月15日竣工、1944年4月27日沈没。
• - 伊号第百八十一潜水艦：1943年5月24日竣工、1944年1月16日沈没。
• - 伊号第百八十二潜水艦：1943年5月10日竣工、1943年9月3日沈没。
• - 伊号第百八十三潜水艦：1943年10月3日竣工、1944年4月28日沈没。
• - 伊号第百八十四潜水艦：1943年10月15日竣工、1944年6月19日沈没。
• - 伊号第百八十五潜水艦：1943年9月23日竣工、1944年6月22日沈没。

潜水隊の変遷

竣工した艦は第11潜水隊に加わり、その後、訓練を受けた艦は第22潜水隊として新たに編成された。これには伊177から伊180までの艦が含まれ、佐世保鎮守府に配備された。訓練を終えた艦は次第にこの潜水隊に組み込まれていったが、特に伊179は事故により喪失し編入されることはなかった。

第二十二潜水隊

第二十二潜水隊は、呉鎮守府の呉潜水戦隊で訓練を受けた艦により編成された。主に南太平洋で哨戒及び輸送任務に従事したが、昭和19年8月10日に解隊された。部隊の名誉のため、艦隊の呉潜水戦隊からの編成や戦歴を数々の記録として残している。

参考文献

• - 雑誌『丸』編集部による資料
• - 勝目純也が著した『日本海軍の潜水艦 - その系譜と戦歴全記録』
• - 外山操による『艦長たちの軍艦史』

伊百七十六型潜水艦の戦歴は短命ではあったが、海軍の戦果や戦術の一部として記憶され続けている。

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