伊奈川ダム

伊奈川ダムについて

伊奈川ダム（いながわダム）は、長野県木曽郡大桑村に位置する重要なインフラであり、一級河川・木曽川水系の伊那川に建設されています。この重力式コンクリートダムは、高さ43メートルを誇り、関西電力が管理する発電用のダムです。伊奈川ダムは最大で4万700キロワットの電力を生成し、伊奈川発電所に水を供給します。

歴史的背景

伊那川は、中央アルプスの最高峰である木曽駒ヶ岳を起源とし、南西へ流れ木曽川に合流します。この河川は急峻な地形と冬の豪雪により流量が豊富であり、水力発電に適した場所として古くから注目されてきました。大正時代には、下流部の橋場発電所や田光発電所が順次運転を始め、昭和初期には相之沢発電所も完成し、伊那川開発は一段落を見せました。

しかし、戦後に関西電力が水力発電所を継承したことから、再度伊那川の開発に着手しました。上流に位置する伊奈川ダムの建設が計画され、木曽川との標高差240メートルを利用した大規模な水力発電の実現を目指しました。このダムの着工は1974年で、1977年に完成を迎え、伊奈川発電所がその運転を開始しました。

その後も開発は続き、1986年には伊奈川ダムの上流に伊奈川第二発電所が完成しました。この発電所は大ダムを伴わない水路式で、最大2万1,600キロワットの電力を生成する能力を持っています。これにより、関西電力の木曽川における発電所の総出力は100万キロワットを超えることとなりました。

施設の周辺

伊奈川ダムへのアクセスは非常に良好です。国道19号を利用し、道の駅大桑から松本市方面へ向かいます。その途中で大桑中学校へ向かう道を示す案内板が出てくるため、それに従い右折します。道は伊那川に沿っており、ダムの左岸に到着します。右岸にはダム管理所があり、ダムの天端を渡る際には許可が必要です。この道を進むと、伊奈川ダムの先には木曽山脈への登山道が続いています。

おわりに

伊奈川ダムは、長野県の美しい自然環境の中にあり、水力発電だけでなく、周辺地域の観光名所としても機能しています。ダムの存在は地域における資源の有効活用を象徴しており、未来にわたって重要な役割を果たすことでしょう。

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