伊東祐国

伊東祐国：激動の時代を生きた武将

伊東祐国（いとう すけくに）は、室町時代に日向国で活躍した武将であり、日向伊東氏の7代目当主です。父である伊東祐堯（すけたか）に従い、各地を転戦しながら武功を重ねました。

若き日の活躍

祐国は、文明12年（1480年）に佐土原の地を与えられ、その力を示し始めます。同年、折生迫（おりうぜこ）での島津氏との合戦では、日高周防介（ひだかすおうのすけ）率いる敵軍を打ち破るという大きな勝利を収めました。この戦いでの活躍は、祐国の勇猛さを世に知らしめることとなりました。

島津氏との対立

文明16年（1484年）、父・祐堯が島津氏の内紛に介入したことがきっかけとなり、伊東氏は島津氏との対立を深めていきます。島津忠昌（しまづただまさ）の方針に反発した島津久逸（しまづひさやす）を援助するため、祐堯は豊後国の大友氏に助力を求め、新納忠続（にいろただつぐ）が守る飫肥城（おびじょう）を攻撃しました。祐国も父と共にこの戦いに参加しましたが、翌文明17年（1485年）に父・祐堯が出陣中に清武城で急逝し、祐国が家督を継承することとなります。

飫肥城を巡る戦い

家督を継いだ祐国は、同年、弟の祐邑（すけむら）と共に、再び新納忠続が守る飫肥城への侵攻を開始します。この時、祐国が率いた軍勢は、都於郡（とのこおり）、佐土原、宮崎、木脇、八代、三納、穂北、富田、財部、高城、塩見、日知屋、門川、山陰、田代、神門、入下、宇納間、水清谷、銀鏡、小河、雄八重、中ノ俣、鵜戸、曾井、加江田といった、現在の宮崎市、西都市、国富町、高鍋町、日向市、美郷町、西米良村などに相当する広範囲の地域から集められたものでした。

祐国と祐邑は国見峠を越えて飫肥城を包囲し、島津方の援軍である島津伯耆守（しまづほうきのかみ）を討ち取るという戦果を挙げました。しかし、飫肥城の守りは堅く、祐国は自ら軍勢を率いて出陣してきた島津忠昌と楠原で激戦を繰り広げることになります。この戦いで、祐国は乱戦の中で壮絶な戦死を遂げました。享年35歳。

その死と影響

伊東祐国の死は、日向伊東氏にとって大きな痛手となりました。若くして命を落とした祐国でしたが、その勇猛果敢な戦いぶりは、後世に語り継がれています。激動の時代を生き抜いた武将として、その名は歴史に刻まれました。

もう一度検索