新納忠続

新納忠続（にいろ ただつぐ）

新納忠続は、室町時代中期から後期にかけて活躍した武将で、島津氏の家臣であり、新納氏の5代目当主です。

生涯

新納忠続は、新納氏4代当主である新納忠治の長男として生まれました。長禄2年（1458年）、島津宗家の命により、大隅国志布志から日向国飫肥へと移されました。これは、日向国櫛間を領していた伊作家の島津久逸と共に、日向伊東氏を抑えるための措置でした。

文明16年（1484年）、日向において伊作家の勢力拡大を警戒した忠続は、島津宗家11代当主である島津忠昌に対し、久逸を伊作へ帰還させるよう願い出ました。忠昌はこの願いを受け入れましたが、久逸はこれに反発し、日向伊東氏や豊後国の大友氏と結託して飫肥城を攻撃しました。

島津本家は、北郷敏久を派遣して忠続を援護しましたが、飫肥城は陥落してしまいます。しかし、翌文明17年（1485年）に島津忠昌によって飫肥城は奪還され、久逸は降伏しました。その後、文明18年（1486年）には、豊州家の島津忠廉が飫肥の地頭に任命され、忠続は再び末吉・志布志へと移されました。

延徳元年（1489年）、忠続は亡くなり、家督は弟の忠明が継承しました。

新納忠続は、島津氏の家臣として、日向における勢力争いの中で重要な役割を担いました。特に、伊東氏との対峙や伊作家との対立は、彼の生涯を語る上で欠かせない出来事です。彼の生涯は、室町時代における地方武将の複雑な立場や、勢力争いの激しさを如実に表していると言えるでしょう。

また、忠続は、宗家の意向に従いながらも、自らの判断で行動するなど、単なる家臣ではなく、独立した武将としての側面も持ち合わせていました。その結果、飫肥城を巡る攻防戦では、一度は敗北を喫するものの、最終的には宗家の支援を得て復権を果たしました。これは、当時の武将が、単に武力だけでなく、政治的な判断力も求められていたことを示唆しています。

新納忠続の生涯は、室町時代の武将たちの生き様を理解する上で、非常に重要な事例と言えるでしょう。

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