国富町

国富町：歴史と自然が織りなす魅力

宮崎県の中部に位置する国富町は、古くからの歴史と豊かな自然が調和した町です。江戸時代には、本庄地区が天領として栄え、本庄川の水運を利用した物資の集散地として賑わいを見せていました。現在では、農業と先端産業が町の経済を支える重要な柱となっています。

地理と気候

国富町は、宮崎市の北西隣に位置し、北西から南東にかけて細長く伸びた町域を形成しています。南側が中心部で、東部は宮崎平野に属し、台地が多く見られます。一方、北西部は九州山地に連なり、掃部岳（1223m）など標高1000mを超える山々がそびえ立っています。町域南部を東西に流れる本庄川は、九州屈指の清流として知られています。

年間平均気温は18度、平均降水量は2569mm、年間日照時間は2110時間と、温暖で過ごしやすい気候です。籾木池という湖沼も町の自然景観を彩っています。

歴史

国富町の歴史は古く、古墳時代には本庄古墳群など多くの古墳が築造されていました。安土桃山時代には、豊臣秀吉の九州征伐の際、弟の秀長が本庄の義門寺に陣を置いたと伝えられています。江戸時代には、町域は延岡藩飛地、天領（本庄地区）、高鍋藩飛地（木脇地区）、薩摩藩高岡外城（八代地区）と、複数の勢力の支配下にありました。本庄地区が天領となったのは1646年以降とされ、和泉屋（日高家）という商家が中心的な役割を果たしていました。和泉屋が生産した和紙は、19世紀から20世紀前半にかけて町の主要産業となりました。

明治時代以降は、1889年の町村制施行により、本庄村、八代村、木脇村が成立。1919年に本庄村は町制を施行し本庄町となり、その後、1956年には本庄町と八代村が合併して国富町が誕生しました。1957年には木脇村を編入し、一時は県内最大の町となりました。近現代においては、ウェブサイト開設や郷土史の発刊など、町の発展に繋がる取り組みも行われています。

産業

国富町の主要産業は農業です。葉タバコと切り干し大根は、全国トップクラスの生産量を誇ります。また、清流の本庄川を利用した先端産業も盛んで、かつてプラズマディスプレイ工場があった跡地には、現在、世界最大級のCIS系太陽電池工場が稼働しています。

行政

国富町の行政は、町長と町議会によって行われています。2016年12月3日からは中別府尚文氏が町長を務めています。町議会は13人の議員で構成されています。

教育、交通、そして観光

国富町には、4つの小学校、3つの中学校、1つの高等学校があります。交通面では、最寄りの空港は宮崎空港、最寄りの鉄道駅は宮崎駅です。東九州自動車道が通り、国富バスストップと国富スマートインターチェンジも利用可能です。町内には複数の県道が走り、バス路線も運行されていますが、高速バスや長距離バスは運行されていません。

観光資源としては、本庄古墳群、八代城跡、萬福寺、法華嶽薬師寺など歴史的建造物に加え、自然豊かな里山ガーデン馬乗園、掃部岳など多くの観光スポットがあります。夏祭りや伝統芸能、音楽フェスティバル、グラススキー大会など、様々なイベントも開催されています。

著名な出身者

国富町からは、イタガキ（足利ぼん）、川越慎也、川越達也、杉尾宗紀、鈴里真帆、松尾昭彦、ヒダカマコト、せんぎりチャンネル、二見颯一、緒方理貢など、各分野で活躍する著名な人物が輩出しています。


国富町は、歴史、自然、産業が三位一体となった、魅力あふれる町です。

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