伊根町の漁港一覧

京都府与謝郡伊根町の漁港

京都府北部に位置する与謝郡伊根町は、日本海に面した美しい海岸線と、湾に沿って立ち並ぶ「舟屋」で知られています。この地域の暮らしは古くから漁業と深く結びついており、町内にはいくつかの重要な漁港が存在しています。これらの漁港は、それぞれの立地や歴史、資源に応じて多様な漁業活動の拠点となっています。

ここでは、伊根町に所在する主要な漁港、すなわち伊根漁港、浦島漁港、泊漁港、新井漁港、本庄漁港に焦点を当て、それぞれの特徴や役割について紹介します。

伊根漁港

伊根漁港は、伊根町の中心部に位置する主要な港の一つです。漁港漁場整備法に基づき、昭和27年（1952年）2月29日に第2種漁港として指定されました。この漁港は伊根町が管理しており、地元漁業協同組合である伊根が活動の拠点としています。2001年12月時点では310名の組合員が所属していました。

伊根漁港で水揚げされる主な魚種は多岐にわたります。アジ類やブリ、ソウダガツオ、イカ類などが豊富に漁獲されますが、特にアナゴは全国的にも注目されており、平成14年（2002年）度にはその陸揚量が全国第1位を記録した実績があります。行われている漁業としては、大型定置網やまき網漁業、ブリの海面養殖業、小型定置網、はえなわなど、多様な漁法が組み合わされています。

浦島漁港

伊根町本庄浜に位置する浦島漁港も、伊根漁港と同様に第2種漁港に指定されています。指定年月日は昭和28年（1953年）2月12日です。この漁港も伊根町によって管理されており、京都府漁業協同組合の浦島支所が漁業活動を担っています。

浦島漁港では、主にサザエやワカメといった磯根資源や海藻類が水揚げされます。これらを対象とした定置漁業や採貝藻漁業が主な漁法として行われています。浦島漁港は、伊根町の沿岸漁業において、特に地域に根ざした資源利用の拠点となっています。

泊漁港

伊根町泊地区にある泊漁港は、ここで紹介する漁港の中では唯一の第1種漁港です。昭和28年（1953年）3月25日に指定されました。管理者は伊根町であり、京都府漁業協同組合が活動しています。泊漁港は規模は小さいものの、地域の水産業を支える重要な役割を担っています。

主な水産物としてはワカメが挙げられます。行われる漁業は、小型定置網や採貝藻漁業が中心です。なお、泊漁港は過去に自然災害による影響を受けたことがあり、平成20年（2008年）2月には防波堤の一部が被災しましたが、その後に修復が行われ、機能を維持しています。

新井漁港

伊根町新井に位置する新井漁港は、昭和27年（1952年）2月29日に第2種漁港として指定されました。管理者は伊根町、漁業協同組合は京都府漁業協同組合です。この漁港は、周辺海域での活発な漁業活動の拠点となっています。

新井漁港で水揚げされる主な魚種は、イワシ、アジ、サバ、ブリなど、青魚や回遊魚が中心です。これらの魚種を対象として、大型定置網や小型定置網、刺し網漁、延縄漁、そして採貝藻漁業など、多様な漁法が組み合わされています。

本庄漁港

伊根町蒲入にある本庄漁港も、新井漁港と同じく昭和27年（1952年）2月29日に第2種漁港に指定されています。管理者は伊根町、漁業協同組合は京都府漁業協同組合です。地理的には町内の比較的東部に位置しており、周辺海域の資源を利用した漁業が行われています。

本庄漁港の主な水産物も、新井漁港と同様にイワシ、アジ、サバ、ブリといった魚種が多く挙げられます。漁業においても、大型定置網や小型定置網、刺し網漁、延縄漁、採貝藻漁業など、新井漁港と類似した多様な漁法が用いられています。

まとめ

伊根町の漁業は、舟屋で知られる穏やかな伊根湾内だけでなく、その周辺の複雑な地形を持つ海岸線全体で営まれています。ここで紹介した伊根、浦島、泊、新井、本庄の各漁港は、それぞれが地域の漁業活動の拠点として機能し、多様な水産物を供給しています。第1種、第2種といった漁港の種類や、管理者・組合の構成、水揚げされる水産物や漁法の違いはありますが、これらの港全体が一体となって伊根町の豊かな海の恵みを支え、地域の経済と文化を守る上で欠かせない存在となっています。特に伊根漁港におけるアナゴ漁業の実績は、伊根町の漁業が持つポテンシャルを示す好例と言えるでしょう。

もう一度検索