伊江朝助

伊江 朝助の生涯

伊江朝助（いえ ちょうじょ）は1881年、現在の那覇市首里当蔵町に生まれました。彼は名門、向氏伊江家の十四世であり、父親は尚侯爵家での重要な役職に就いていました。首里小学校を卒業後、伊江は上京し、私立順天中学校や早稲田大学高等予科を経て、1907年に早稲田大学の政治科を無事に卒業します。

その後、1908年には一年間の志願兵として歩兵第48連隊に入隊。1909年に除隊した後、故郷沖縄に戻ります。そして、1911年に沖縄電気軌道会社の常任監査役に就任し、1913年には首里区会議員と沖縄県会議員に当選します。特に沖縄銀行の取締役に就任した1914年は、彼にとって重要な年となりました。

沖縄民報社を設立し社長に就任したこともありましたが、新聞の経営問題やかつての沖縄支配層との対立から困難な状況に直面しました。1916年には沖縄県会議長に就任し、その後の1918年までその職に留まりましたが、1919年に沖縄民報が廃刊となります。その結果、彼は多額の借金を抱え、20年には沖縄銀行により家を差し押さえられる危機にも直面しました。同年、急逝した父の後を継ぎ、男爵を襲爵します。

その後は上京し、沖縄における様々な職を退いた伊江は、1925年に貴族院の男爵議員として補欠選挙に当選し、公正会に所属します。1947年の貴族院廃止までその地位に在任し、特に土木会議の議員としても活動しました。40年には沖縄新報社の社長に任命され、沖縄の情報発信にも寄与しました。

第二次大戦後は東京に住み、沖縄協会会長や沖縄財団理事長など様々な役職を歴任しました。沖縄の戦後復興に尽力し、多岐にわたる活動を行った彼の功績は高く評価されています。

家族と後世の影響

伊江朝助は妻に伊江房子を持ち、彼の養子及び甥である伊江朝雄は運輸官僚であり後に参議院議員としても活躍しました。

彼に関する書籍も多く存在し、戦後の沖縄文化や経済の発展に大きな影響を与えた重要な人物として、今も多くの人に記憶されています。

参考文献

• - 沖縄朝日新聞社編『沖縄県人事録』1937年。
• - 『貴族院要覧（丙）』1947年。
• - 『伊江朝助先生を偲ぶ』1964年。
• - 沖縄大百科事典『上巻』1983年。
• - 『議会制度百年史』1990年。
• - 『平成新修旧華族家系大成 上巻』1996年。

伊江朝助の生涯は、沖縄の歴史において重要なエピソードを築き上げ、沖縄の未来に向けた足跡を残しました。

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