伊河麻神社

伊河麻神社について

伊河麻神社（いかまじんじゃ）は、静岡県静岡市駿河区稲川に鎮座する神社です。この神社は、かつての駿河国における五つの主要な神社、いわゆる「五宮」の一つであり、その中で四番目に位置する「四之宮」として古くから人々に崇敬されてきました。

歴史

神社の創建は白鳳4年（664年または675年）と伝えられており、非常に長い歴史を持っています。古い記録である「諸郡神階帳」には、「古はいかめしき御社にぞ有けむ」と記されており、かつては荘厳な社殿が建っていたことがうかがえます。しかし、永禄時代に武田信玄が戦勝を祈願して社殿を焼いてしまい、その後、再建されることはありませんでした。現在見られる社殿は、当時の奥院を再建したものとされています。

祭神

伊河麻神社の主な祭神は、品陀別命（ほんだわけのみこと）、すなわち応神天皇です。

境内

境内には、以下の神社も祀られています。

金毘羅神社（祭神：大物主神）
火産女霊神社（祭神：奥津彦神、奥津姫神）
稲荷神社（祭神：保食神）

これらの神社からも、この地が古くから信仰の対象であったことがわかります。

祭事

伊河麻神社では、毎年9月15日に例祭が執り行われています。

神階

「諸郡神階帳」には、伊河麻神社は正四位下の伊賀麻明神として記録されています。このことから、朝廷からも高い位を与えられていたことがわかります。

その他の情報

この神社は、資料によって漢字や名称が少し異なることがあります。

延喜式神名帳には「駿河國有度郡井河（軻）麻神社」
諸郡神階帳には「正四位井河麻明神」
新風土記には「井鎌大明神」

これらの異表記からも、神社が長い歴史の中で様々な変遷を経てきたことが窺えます。

現地情報

所在地：静岡県静岡市駿河区稲川1-10-15

脚注

この記述は以下の参考文献に基づいて作成されました。

静岡県神社庁HP-伊河麻神社
『静岡縣安倍郡誌』（安倍郡時報社、1914年）
『大里村誌 下巻（1）』第七章、社寺傳説
『小島村誌』（1961年）
『安倍郡町村誌 29 大里村誌 下巻』（静岡県立図書館デジタルライブラリー、画像5～画像8）
静岡県神社庁静岡支部、静岡県神社総代会静岡支部『静岡市神社名鑑』（1976年）

関連項目

* 駿河国の式内社一覧

伊河麻神社は、地元の人々にとって大切な信仰の場所であり、その歴史的価値も高い神社です。訪れる際には、この豊かな歴史を感じてみてください。

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