伊百七十四型潜水艦

伊百七十四型潜水艦について

伊百七十四型潜水艦（いひゃくななじゅうよんがたせんすいかん）は、大日本帝国海軍の潜水艦の一種であり、同型艦として2隻が建造されました。これらの潜水艦は「海大VI型b」とも呼ばれています。両艦とも1944年に戦没しました。

艦級の概要

この艦級の潜水艦は、第二次軍備補充計画に基づいて1938年に竣工しました。基本設計は前型である海大6型aに準じたものですが、船殻の板厚が増したことにより、安全潜航深度が85mに引き上げられ、これに伴い燃料搭載量も増加しました。その結果、航続距離が延び、運用範囲が広がることとなりました。

また、装備として12cm平射砲の搭載や国産の九三式水中聴音機があり、潜水艦としての戦力向上が図られていました。

戦歴

太平洋戦争において、伊号第百七十五潜水艦は米護衛空母リスカム・ベイを沈める戦果を挙げましたが、他の艦と同様に1944年には戦没しています。特に伊号第百七十四潜水艦は、1944年4月13日にトラック南方で沈没したとされています。

同型艦の詳細

伊百七十四型潜水艦には以下の2隻があります。

• - 伊号第百七十四潜水艦: 1938年8月15日に竣工（佐世保海軍工廠）、1944年4月13日に沈没。
• - 伊号第百七十五潜水艦: 1938年12月18日に竣工（三菱神戸）、1944年2月17日に米駆逐艦の攻撃により沈没。

潜水隊の変遷

この艦級は2隻から構成されるものの、3隻定数の潜水隊には1隻が不足している状況でした。そのため、呉鎮守府に配備され、呉鎮固有の番号が与えられ第11潜水隊が編成されました。この第11潜水隊は、過去に解隊されていた第11潜水隊の3代目となります。

第十一潜水隊の構成

• - 1938年12月15日: 伊74の編成。
• - 1938年12月18日: 竣工した伊75を編入し編成完了。
• - 1940年11月15日: 第六艦隊第3潜水戦隊に所属。
• - 1942年11月28日: 新たに第11潜水隊司令が就任。
• - 1943年3月15日: 解隊し、所属艦は第12潜水隊に編入。

このように、伊百七十四型潜水艦は、艦の設計見直しにより性能向上が図られ、太平洋での激しい戦闘において一時的に存在感を示しましたが、戦争の激化とともにその運命を全うした艦となりました。戦没した艦の歴史は、当時の海軍の厳しい状況を反映しており、今なお記憶に留まる存在であります。

もう一度検索