伊藤公朗

伊藤公朗: シタールと北インド音楽の伝道師

伊藤公朗（いとう こうろう）は、1953年に愛媛県で生まれたシタール奏者であり、北インド音楽の魅力を日本に広める活動を続けています。彼の音楽のルーツは、インドの伝統音楽、特にヒンドゥスターニー音楽に基づいており、シタールという楽器を通してその深い文化に触れてきました。

略歴

彼は1977年にヒマラヤのバドリーナートで音楽修行を始め、ナーダヨギと呼ばれる音楽修行僧のDattatreya Rama Rao Parvatikarに弟子入りしました。ナーダヨギは、音楽を通じて精神的な修行を行う僧侶であり、多くの人々から「ヴィーナマハラジ」と称されています。この名は、彼が師事した楽器であるヴィーナと、聖者に対する尊称であるマハラジを結びつけたものです。バドリーナートはインドの四大神領の一つであり、特に北を守る聖地として知られています。

修行を通じて、伊藤はインド各地の聖地を巡りながら、古典音楽とシタールの技を磨きました。この5年間は彼の音楽キャリアにとって重要な基盤となり、その後の活動に大きく影響を与えました。1982年には古都ハイダラーバードに移住し、見習いの期間中に出会ったK.Atmaram教授のもとで8年間シタールを学びました。

帰国した1985年以降は、信州の自然豊かな環境で生活を送り、彼の師であるナーダヨギの教えを受け継ぎながら演奏活動を展開しています。特に、伊勢神宮内宮第4回神宮文化芸能奉納祭における演奏では、彼の音楽が多くの人々に感動を与えました。

ディスコグラフィ

伊藤公朗は、さまざまな作品をリリースしています。特に注目すべきは、2002年に発行された「ヒマラヤ音巡礼」。また、彼のアルバムには「YATRI」や「BHAIRAVI」、さらには「ALAKNANDA」などが含まれ、これらの音楽はそのすべてでインド古典音楽の要素を取り入れています。

特に「YATRI」は2000年に発売された後、2009年に再リリースされた作品で、伊藤公朗自身と共に他のアーティストとのコラボレーションが光る一品です。さらに「こころをつなぐ歌」や「Anjaliのうた」も、多くの聴衆に愛されている楽曲となっています。

また、ファイナルファンタジーのサウンドトラック「風の章」（1994年）にも参加しており、ゲーム音楽にもその才能を生かしています。

音楽の魅力

伊藤公朗は、シタールを通じて日本の聴衆に北インド音楽の魅力を伝えることに情熱を注いでいます。彼の演奏は、音楽だけでなく、精神的な深みをも提供しており、聴き手を魅了しています。今後も、彼の音楽活動は多くの人々に感動を与え続けることでしょう。

外部リンク

• - 伊藤公朗公式ホームページ
• - ANJALI INDIAN MUSIC

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