伊藤延男

伊藤 延男の生涯と業績

伊藤延男（いとう のぶお、1925年3月8日 - 2015年10月31日）は、日本の建築史学者、文化財保護に尽力した文化功労者として知られています。彼は東京国立文化財研究所の名誉研究員であり、神戸芸術工科大学の名誉[[教授]]でもあります。

幼少期から大学まで

愛知県名古屋市で生まれ育った伊藤は、愛知一中を卒業後、1947年に東京帝国大学工学部建築学科を卒業しました。卒業後は国立博物館で勤務し、奈良国立文化財研究所にて建造物研究室長を務めました。

学問的な業績

伊藤は1961年に『中世和様建築の研究』を発表し、東京大学より工学博士の学位を取得しました。その後、文化庁の文化財保護部で建造物課長として重要な役割を果たし、1978年には東京国立文化財研究所の所長に就任しました。88年には定年退官し、以降は名誉研究員および神戸芸術工科大学の教授として若手の育成にも力を注ぎました。

受賞歴と国際活動

1995年には勲三等旭日中綬章を受賞し、2004年には文化功労者として認められました。さらに、2012年にはガッゾーラ賞を受賞し、彼の文化財保存への取り組みが国際的に評価されることとなります。また、文化財保護振興財団の理事としても活動し、国際記念物遺跡会議（イコモス）の副会長としてもその知識と経験を活かしました。

著作と共編著

伊藤の著書には『五箇山地方の建築について』などがあり、文化財に関する彼の豊富な知識を反映した作品が数多く存在します。1958年から始まる彼の執筆活動は、建築や文化財に関する多くの人々に影響を与えています。特に『日本の建築』（1966年）は、今日でも多くの研究者に読み継がれている著作です。また、彼の共編著には『日本古寺美術全集』シリーズなどがあり、数多くの文化財に関する資料を残しています。

文化財保護への情熱

伊藤は、文化財保護の重要性を広く認識させるために多くの講演や国際交流に貢献しました。彼の努力は、日本国内に留まらず国際的にも高く評価され、文化財保存に関する国際的なネットワークを広げる基盤を築きました。

最後に

伊藤延男の業績は、日本の建築史や文化財の保存において非常に大きな影響を与えました。彼の情熱と深い知識は、今後も多くの学者や専門家に受け継がれ、文化財保護の重要性を認識させる役割を果たし続けるでしょう。

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