伊藤長次郎

5代 伊藤長次郎（1873年4月11日 - 1959年6月12日）は、明治から昭和にかけて活躍した人物です。大地主、実業家、政治家として多岐にわたる分野で活躍し、貴族院多額納税者議員も務めました。また、初期の産業組合指導者としても知られています。幼名は熊蔵でした。

生い立ちと学歴

伊藤長次郎は、兵庫県印南郡今市村（現在の高砂市伊保町）で、大地主である4代伊藤長次郎の長男として生まれました。兵庫県尋常中学校（現在の兵庫県立姫路西高等学校）を卒業後、京都の顕道学校、東京の国民英学会、日本法律学校で英語と法律を学びました。しかし、父親の病気により学業を中断し、帰郷することとなりました。

家督相続と事業展開

1895年9月、父親の死去に伴い家督を相続し、5代長次郎を襲名しました。その後、1896年以降、加古川銀行頭取、三十八銀行頭取、神栄社長、兵庫県農工銀行取締役、兵庫県農会長、印南郡会議員、同郡参事会員、日英博覧会評議員、茶業組合中央会議特別議員、生産調査会委員など、数多くの要職を歴任しました。

貴族院議員としての活動

1904年、兵庫県多額納税者として貴族院多額納税者議員選挙において最年少で互選され、同年9月29日から1911年9月28日まで1期在任しました。貴族院議員として、国政に参画し、地域社会の発展に貢献しました。

産業組合運動への貢献

伊藤長次郎は、小作人救済のため伊藤家小作人信用組合を結成し、経済的な支援を通じて小作人の生活向上を図りました。また、兵庫県信用組合連合会の初代会長を務め、1910年には産業組合中央会から西垣恒矩らと共に第1回農事組合会議（ベルギー、ブリュッセル市開催）に派遣され、欧米13カ国を視察しました。帰国後、その成果を発表するなど、産業組合の普及発展に尽力しました。

著作

伊藤長次郎は、著作活動も行っており、『真俗二諦観集』（1927年）を編著しています。

親族

妻は伊藤ゑい（大西行礼の妹）、長女は大岡静（子爵大岡忠綱の妻）、嫡子は熊三（岳父に阪谷芳郎）です。

まとめ

5代伊藤長次郎は、明治から昭和にかけて、大地主、実業家、政治家として多岐にわたる分野で活躍し、地域社会の発展に大きく貢献しました。特に、産業組合運動への貢献は特筆されるべきものであり、小作人の救済や生活向上に尽力したことは、高く評価されています。

もう一度検索