伊豆大島近海の地震

1978年伊豆大島近海の地震について

1978年1月14日、12時24分39秒に発生した伊豆大島近海の地震は、マグニチュード7.0を記録し、震源は約15kmの深さに位置していました。この地震は「1978年伊豆大島近海の地震」という名称で知られ、伊豆大島西岸沖に震源を持つ直下型地震でした。その影響は広範に及び、特に神奈川県横浜市や伊豆大島では震度5が観測されました。しかし、その震源域が陸に近いため、静岡県賀茂郡東伊豆町では震度6に相当する強い揺れが感じられました。

被害の状況

この地震により、最も甚大な被害を受けたのは伊豆半島東部でした。特に崖崩れや地滑りが多発し、これが原因で多くの命が奪われました。伊豆半島内陸部の天城湯ヶ島町で、持越鉱山の鉱滓ダムが決壊し、猛毒のシアン化ナトリウムが河川に流出しました。この影響で周辺の生態系が毀損され、漁業にも深刻な影響が出ました。

報告によると、地震の死者数は25名、負傷者は211名とされています。特に東伊豆町では、負傷者が109名、全壊56戸、半壊460戸が記録され、これらの数値は町全体における被害の約半数以上を占めました。また、熱川温泉のホテル従業員寮が倒壊し、さらなる犠牲者を出しました。

地震のメカニズム

この地震は多重震源地震とされ、最初の小規模な揺れから西に移動し、陸地では主震が発生しました。この主震により、稲取付近で地表断層が出現し、後に「稲取断層」と名付けられることになります。地震直後からは100回以上の余震が発生し、翌日には最大余震が発生しました。

津波の影響

地震発生から約5分後、津波が波高10cmから15cmで到達しました。気象庁は津波注意報を発表しましたが、最大でも70cmに留まり、大きな被害はありませんでした。

事後の対応と混乱

地震発生後、住民の防災意識が高まっていたため、火災は1件だけで済みましたが、情報混乱も発生しました。地震予知連絡会が示した余震情報が流布される際、誤解を招く情報が広がり、「今日大きな余震が来る」といった誤った情報が市民に伝わりました。この混乱は「情報パニック」と呼ばれましたが、実際にはそれほど大規模ではなかったとの評価もあります。

地理的要因

伊豆半島は地震が起こりやすい地形を持っており、特に崖崩れなどの自然災害が多く発生します。地層の特性や急峻な地形が、地震によって誘発される災害リスクを高めています。過去の地震でも同様の傾向が見られています。

まとめ

この地震は、自然災害の怖さを再認識させる出来事であり、多くの命が奪われ、環境にも多大な影響を与えました。これ以降、地域の防災対策は強化されることとなり、今後の地震に備えるための教訓としても位置づけられています。

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