伊達宗敬

伊達宗敬（だて むねよし）は、江戸時代末期の大名であり、明治時代初期の華族でした。伊予吉田藩の第9代（最後）の藩主であり、同藩の初代（最後）の知藩事でもあります。

生涯

嘉永4年（1851年）2月23日に、第8代藩主・伊達宗孝（および宇和島藩第8代藩主伊達宗城）の実兄である旗本、山口直信の次男として生まれました。慶応4年（1868年）7月23日、宗孝が戊辰戦争で幕府側に与した責任を取り隠居したため、その養子として家督を継ぎました。明治2年（1869年）4月24日には、従五位下・若狭守に叙位・任官されています。同年6月20日には版籍奉還により、吉田藩知事に任じられました。

藩政においては、藩校を文武館と改称し、文武の奨励に力を注ぎました。しかし、明治3年（1870年）4月には、宇和島で発生した野村騒動の余波を受け、三間騒動が起こるなど、国内の騒乱に影響を受けています。明治4年（1871年）7月15日、廃藩置県が実施され、藩知事を免官となりました。

明治9年（1876年）3月23日からは宮内省に勤務しましたが、同年8月29日に東京で死去しました。享年27歳という若さでした。跡は長男の宗定が継いでいます。

伊達宗敬は、激動の時代に藩主、そして知藩事として藩の舵取りを担い、その短い生涯を駆け抜けました。藩政改革や人材育成に尽力する一方で、戊辰戦争や廃藩置県といった時代の大きなうねりの中で、翻弄される一面も持ち合わせていました。彼の人生は、幕末から明治初期への移行期における地方領主の苦悩と、新しい時代への適応の難しさを示唆していると言えるでしょう。

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