伊達宗孝

伊達宗孝（だて むねみち）は、江戸時代後期の大名であり、伊予吉田藩の第8代藩主を務めました。彼は宇和島藩の第8代藩主である伊達宗城の実弟として知られています。

文政4年（1821年）に、3000石の旗本である山口直勝の三男として江戸で生まれました。山口家は宇和島藩5代藩主・伊達村候の孫にあたる家柄でした。天保10年（1839年）に第7代藩主・伊達宗翰の養子となり、天保14年（1843年）に宗翰の隠居により家督を継承し、吉田藩の藩主となりました。同年12月には従五位下・和泉守に叙位・任官し、後に弘化2年（1845年）には若狭守に遷任しています。

しかし、宗孝は旗本家の出身で江戸で育ったため、財政難に苦しむ吉田藩の内情を理解することができませんでした。彼は江戸に在府し、ほとんど帰国することなく藩政を怠り、贅沢な生活を送りました。その結果、6000両もの借金を新たに抱えることになります。名君として知られた兄・宗城とは対照的な行動を取りました。兄弟仲が悪かったことが、このような行動の理由の一つとも言われています。

幕末の動乱期には佐幕派として行動し、慶応4年（1868年）の戊辰戦争では幕府方として戦いました。そのため、新政府から罪を問われることになりましたが、兄・宗城の仲裁により、長兄・山口直信の子で婿養子の宗敬に家督を譲ることを条件に赦免されました。

明治4年（1871年）の廃藩置県後は東京へ移住し、後に明治天皇の侍従を務めました。明治32年（1899年）5月20日に東京で死去し、享年79歳でした。

伊達宗孝は、兄である伊達宗城とは対照的な藩主であり、その行動は吉田藩に大きな影響を与えました。彼の生涯は、幕末維新期の激動の中で、大名がどのように生きたかを物語る一例と言えるでしょう。

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