伊達成宗

伊達成宗の生涯と功績

伊達成宗（だて しげむね/なりむね）は、室町時代中期から戦国時代にかけて活躍した著名な武将であり、伊達氏の第12代当主である。彼の官位は従四位上・兵部少輔で、家族背景や政治的動きに深く関与した存在として知られている。

家族と初期の経歴

成宗は、伊達持宗の次男として生まれた。持宗は伊達氏の11代目当主であり、成宗の母は憲徳院という女性である。彼は次男であったが、兄の義宗が庶長子のため、家督を相続できなかったことから成宗が当主として家業を引き継ぐこととなった。文明元年（1469年）、成宗は伊達家を継ぎ、同時に奥州探題にも就任し、家の統治を行った。

国分氏との戦い

成宗の治世中、特に注目されるのは国分氏との争いである。応仁元年（1467年）から文明4年（1472年）にかけて、国分氏とは三度にわたる武力衝突を行った。ようやく和睦に至ったものの、この過程で寒河江氏が国分氏を支援したため、成宗は出羽国の寒河江氏を攻撃する決断を下す。

菖蒲沼の戦い

文明11年（1479年）、成宗は桑折播磨守を指揮官として寒河江城に攻撃を仕掛けるが、厳しい冬の寒さの影響で撤退を余儀なくされた。翌年の春、再度の攻撃で伊達軍は寒河江荘に誘い込まれ、桑折播磨守が戦死する事態に陥り、大敗を喫した。この出来事は「菖蒲沼の戦い」として知られ、伊達軍にとって痛手となった。

上洛と貢納

文明15年（1483年）、成宗は上洛し、足利将軍家に対して太刀23振や馬95頭、砂金380両、銭5万7000疋を献上した。この行為は、伊達氏の力を中央に示す重要なものであり、彼の政治的影響力を高めるものであった。特に、観世大夫五世の之重に馬を送ったり、興福寺で薪能を観賞したこともあり、彼の文化的教養が伺える。

大崎氏への支援

長享2年（1488年）には、大崎氏内乱の際に、成宗の正室が大崎氏出身であったことから、大崎義兼の復帰を助けるべく活動した。彼の行動は家族の絆を背景にしたもので、多くの歴史家から評価されている。

没年と影響

成宗の没年については、長享元年（1487年）が有力視されている。もしこの年が正しいとすれば、大崎氏の内乱に関与したのは成宗ではなく、次男の尚宗ということになる。彼の死後も伊達氏は成宗の追悼祭を行い、その影響は現代にまで受け継がれている。

家系

成宗の家族構成は以下の通りである。父は伊達持宗、母は憲徳院である。また、正室は慧厳院であり、彼女は大崎教兼の娘である。嫡男は伊達尚宗で、他にも生母が不明な子女がいた。成宗の次男である葛西宗清は葛西満重の養子となり、伊達出羽守は近江伊達氏の祖として六角氏に仕奉っている。

最後に

伊達成宗の生涯は武将としての戦いだけでなく、政治や文化の面でも影響を持ったことから、歴史的な視点で見ても重要な人物である。その功績や所業は、現在でも語り継がれ、歴史の一部として尊重されている。

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