伊那路 (列車)

特急「伊那路」について

特急「伊那路」（いなじ）は、JR東海が運行している飯田線の特別急行列車です。この列車は、愛知県の豊橋駅から長野県の飯田駅を結び、地域の交通を支える重要な役割を担っています。本稿では、「伊那路」の運行経歴、運行状況、停車駅、使用車両などについて詳しく説明します。

歴史と沿革

特急「伊那路」の起源は、1992年に臨時列車として運行を開始した急行「伊那路」にさかのぼります。飯田線の豊橋駅と飯田駅を結ぶこの急行は、1983年に廃止されて以来約10年ぶりに復活したもので、地域の活性化を目的として新たに運行が始まりました。急行「伊那路」は、その後の利用客の増加に伴い、運行日が徐々に拡大されていきました。しかし、使用されていた165系の老朽化が進んだため、1996年3月に特急列車に格上げされ、定期列車としての運行が開始されるに至ります。特急化された当初は、「ワイドビュー」の名称がついていましたが、2022年にはその冠が外れました。

運行状況

2022年8月現在、特急「伊那路」は1日2往復が運行されており、全ての列車が豊橋駅で東海道新幹線「ひかり」と接続しています。この利便性により、地域住民だけでなく観光客からも高い支持を受けています。列車の運行状況は安定しており、定期的に運行されているため、特に週末や旅行シーズンには多くの乗客で賑わいます。

停車駅

特急「伊那路」の停車駅は次のとおりです：

• - 豊橋駅
• - 豊川駅
• - 新城駅
• - 本長篠駅
• - 湯谷温泉駅
• - 中部天竜駅
• - 水窪駅
• - 平岡駅
• - 温田駅
• - 天竜峡駅
• - 飯田駅

特別なイベントが行われる際には、近くの駅に臨時停車することもあります。これにより、地域のイベントへの参加を容易にし、地域振興に寄与しています。

使用車両

特急「伊那路」では373系の3両編成が使用されています。全席が普通車で構成され、グリーン車は連結されていません。1号車は全席指定席となっており、2号車と3号車は自由席ですが、車端部にある大型テーブル付きのセミコンパートメント席は指定席です。373系にはドアカット機能がなく、現在の運行では増結は行われていません。

臨時列車と特別運行

特急「伊那路」の他にも、臨時列車の運行がいくつか行われています。特に「飯田線秘境駅号」は、土日祝日に運行される臨時急行列車で、373系を使用し、通常の「伊那路」と同じく豊橋駅から天竜峡駅まで運行されます。この列車は、特に秘境駅が話題にされる際に設定され、多くの鉄道ファンや観光客を惹きつけています。

「天龍号」と「伊那」の優等列車の歴史

特急「伊那路」以前の優等列車には、「天龍号」や急行「伊那」などがあり、それらの歴史も地域交通において重要な位置を占めています。特に「天龍号」は、昭和時代に愛知電気鉄道が運行していた観光列車で、行楽客に人気がありましたが、時代の変化と共に運行を終了しました。 一方、急行「伊那」は1961年に運行が始まり、長年にわたり愛されてきましたが、バスの普及により1983年に廃止され、その後「伊那路」が新たな形で受け継がれることとなりました。

以上が特急「伊那路」に関する詳しい情報です。この地域の重要な交通手段であり、観光振興にも寄与するこの列車は、今後も多くの人々に利用され続けることでしょう。

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