天竜峡

天竜峡の魅力

長野県飯田市に所在する天竜峡（てんりゅうきょう）は、天竜川がつくり出した美しい峡谷です。この場所は国の名勝にも認定されており、天竜奥三河国定公園の一部として多くの観光客を惹きつけています。天竜峡はしばしば「暴れ川」と称される天竜川が生み出した壮大な絶壁が続く渓谷で、訪れる人々はその圧倒的な自然の迫力に魅了されます。

自然の美しさ

天竜峡の岸壁は花崗岩でできており、アカマツやモミジが自生しています。新緑の季節と紅葉の季節には、まるで絵画のような風景が広がり、四季折々の美しさを楽しむことができます。また、天竜峡には温泉もあり、観光客は自然の景観を満喫しながらリラックスすることができる場所として人気があります。

歴史的背景

この場所の名前の由来は、岡山の漢学者、阪谷朗廬によるものであり、1847年に彼がこの地を訪れた際に名付けられました。高台には彼を讃える記念碑が建てられており、地域の歴史を感じることができます。1882年には文人、関島良致の招待を受けて、書道家の日下部鳴鶴が天竜峡の奇岩を選定し、十の名所を「天竜峡十勝」と名づけました。これらの奇岩はそれぞれ特徴的な名前が付けられ、その美しさが賞賛されています。

観光と文化

1927年には天竜峡が日本新八景に選ばれるも、審査員による選考からは漏れるという出来事があり、そのことに地元の人々は不満を抱き、不買運動が起こったと言われています。それでも、1934年には国の名勝に指定され、新民謡『天竜下れば』のヒットと共に多くの観光客を誘致しました。

天竜峡では、80年代以降に温泉観光が盛んになり、1989年には天竜峡温泉が登場しました。これにより観光客は一時60万人に達しましたが、その後は観光客数が低下する時期もありました。近年では、2008年に「天龍峡再生元年」として、河床の低下を図る取り組みが始まり、100年前の景観を取り戻す「天龍峡百年再生プロジェクト」が進行しています。

船下りと遊歩道

天竜峡では「天竜ライン下り」と呼ばれる船下りが人気のアクティビティとなっており、観光客は川からの景観を楽しむことができます。また、近年の整備により、遊歩道「そらさんぽ天龍峡」が設置され、美しい自然を散策する機会も増えました。

アクセス

天竜峡へのアクセスは便利で、JR飯田線の天竜峡駅から徒歩5分の距離にあり、また三遠南信自動車道の天龍峡インターチェンジからも容易にアクセス可能です。この地域の魅力をくまなく楽しむため、ぜひ訪れてみてはいかがでしょうか。

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