伍代参平

伍代参平（ごだい さんぺい）さんは、1958年生まれの元俳優、元子役、そしてタレントです。愛媛県八幡浜市出身で、本名は藤江喜幸（ふじえ よしゆき）です。

3歳まで愛媛で過ごした後、一家で神奈川県川崎市に移り住みました。4人兄弟の長男として育ち、幼稚園に入園できる年齢ではなかったため、5歳で劇団日本児童に入団するという、華々しい芸能界入りを果たします。その後、劇団いろはに移籍し、1966年には日本テレビの特撮テレビドラマ『快獣ブースカ』のチョロ吉役で鮮烈なデビューを飾りました。

『快獣ブースカ』終了後も、『コメットさん』などのテレビドラマに次々と出演し、着実にキャリアを積み重ねていきます。1969年にはTBSのテレビドラマ『柔道一直線』で吉沢京子演じる高原ミキの弟・高原三平役としてレギュラー出演。子役ながら、その演技力は高く評価され、注目を集めました。当時のインタビュー記事では、最初は恥ずかしがっていたものの、撮影に慣れ、劇中で披露するなぞなぞは得意ではないと語っている様子が伺えます。

その後もNHKの連続テレビ小説『繭子ひとり』をはじめとした数々のドラマや映画に出演し、名子役として活躍しました。1976年には東京12チャンネルの『忍者キャプター』で大山昇（金忍キャプター5）役としてレギュラー出演し、ヒーロー役を演じました。

1978年には、TBSのドラマ『ナッキーはつむじ風』出演中に芸名を「伍代参平」に改名。さらに1982年には、ANBの『大戦隊ゴーグルファイブ』で黄島太（ゴーグルイエロー）役を演じ、再びヒーロー役を担いました。プロデューサーの鈴木武幸氏は、伍代さんを起用した理由について、「メンバーの中に『秘密戦隊ゴレンジャー』のキレンジャーのような三枚目タイプを入れてみようと思ったから」と語っています。

俳優としての活動以外にも、フジテレビ系の『美味しんぼ倶楽部』のリポーターやバラエティ番組など、活動の幅を広げていきました。しかし、2003年のテレビ神奈川でのリポーターの仕事を最後に仕事が途絶え、生活のため、渋谷でペンキ屋として働くことになります。この際にヘルニアを患ってしまい、友人の紹介で関西に移住。幸いヘルニアは治癒しましたが、東京に戻っても仕事がない状態が続いたため、そのまま関西に在住し、兵庫県姫路市で広島風お好み焼きの料理人として第二の人生を歩み始めます。2006年のインタビューでは、「いつ仕事がきてもいいように、東京のプロダクションに籍を置いてあります」と語っていたそうです。

その後、かつて『忍者キャプター』で共演した佐藤宏之さん（風忍キャプター6役）が、ファンの話から伍代さんの消息を探り、東京都新宿区四ツ谷の炉端焼き店で働いていることを突き止めました。佐藤さんの誕生日会をその炉端焼き店で開いたことがきっかけで、数十年ぶりに二人は再会を果たしました。2017年12月24日、9年間勤めたこの炉端焼き店を退社。芸能活動も2012年頃に引退したとのことです。

伍代さんの特技は柔道（初段）で、趣味は帽子収集と料理です。『忍者キャプター』や『ゴーグルファイブ』では、多くのアクションシーンを自ら演じていたというエピソードも残っています。『忍者キャプター』で共演した伴大介さんは、「芸達者で、演技の資質が良いと思った」と伍代さんの演技力を高く評価しています。また、『ゴーグルファイブ』で共演した春田純一さんも、芸歴が長く芝居が安定しており、役柄と同様に陽気な人物だったと証言しています。

伍代参平さんは、子役時代から培ってきた演技力と、持ち前の明るさで、数々の作品に出演し、人々を魅了してきました。その後の人生も、俳優業にとどまらず、料理人として新たな道を切り開き、多様な経験を積んできたことがわかります。その波乱万丈な人生は、多くの人に勇気と感動を与え続けているのではないでしょうか。

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