伍朝枢

伍 朝枢の生涯と業績

伍朝枢（ご ちょうすう）は、1887年5月23日に広東省新会県で生まれた清末民初の外交官および政治家です。父は著名な政治家の伍廷芳であり、家系には政治的な影響が色濃く表れていました。彼は1887年に生まれ、1934年に病没するまでの間に、主に外交部門において数々の重要な職務を果たしました。彼の文字は梯雲です。

学びの旅

伍朝枢は1897年、父と共にアメリカに渡り、ワシントンで初等・中等教育を受けました。その後、1905年に帰国し、広東省で官職に就いたものの、1908年には官費でイギリスに留学し、ロンドン大学で法律を学びました。卒業後、ケンブリッジ大学大学院で弁護士の資格を獲得し、彼のキャリアはますます華やかに展開していきました。

政治の道への進出

1912年に帰国した伍朝枢は、その年の5月に湖北都督府にて外交司長に就任します。政治の世界に身を置いた彼は1913年、広東県選出の国会議員として憲法起草に参加するなど、積極的に活動しました。1915年には国務院参議に任命され、外交部の重要な役割も担いましたが、袁世凱の皇帝即位に反発して辞職し、故郷に帰りました。

北洋政府での再起

その後、1916年に袁世凱の死後、北洋政府に復帰し、外交部の参事としての職を再び振るいました。これを通じて彼は、国際的な舞台でもその手腕を発揮しました。1917年には孫文が護法運動を開始すると、伍朝枢も南下し、広東軍政府の外交部次長に任命されました。この時期、彼の政治的な影響力はますます強まりました。

中国国民党と外交活動

1921年からの数年間、伍朝枢は国民党の中で様々な役割を担いました。特に、外交部長として孫文の対外宣言の準備をしたり、国民政府において重要なポジションに就任しました。しかし、彼の三大政策に対する批判的・消極的立場は、後に諸問題を引き起こすこととなります。

1926年には中山艦事件が発生し、政策に対する分裂が見られる中で伍朝枢は汪兆銘らを支持しましたが、政争に敗北し、後に上海に引きこもることとなります。

条約改正への挑戦

1927年、再び南京の国民政府にて外交部長として復帰し、不平等条約の撤廃を求める宣言を行いました。彼の外交活動は、後に残る外交部長たちによって引き継がれることになります。1928年にはアメリカと新たな条約を結びますが、完全な関税自主権の回復には至りませんでした。

政界からの引退と晩年

1931年には広東省政府主席に任命されますが、その後の政局の変化により、政治活動における彼の存在感は次第に薄れていきました。1934年1月3日、彼は香港で病により亡くなりました。彼の政治家としての生涯は、清末民初の中国における外交の変遷を象徴するものであり、多くの課題に挑み続けた姿が印象的です。

彼の人生と業績は、当時の中国の政治的背景を理解する上で欠かせない重要な要素と言えるでしょう。

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