伝印

伝印（でんいん、1927年1月30日 - 2023年3月11日）は、中国の禅僧であり、中国仏教協会会長を務めた人物です。字は月川、名は毓岱、遼寧省荘河市出身で俗姓は呂氏でした。彼の生涯は、激動の20世紀中国仏教界を反映しており、その足跡は多くの人々に影響を与えました。

遼寧省荘河市で仏教を篤く信仰する家庭に生まれた伝印は、幼い頃から仏教に親しんで育ちました。呂氏を姓とする彼は、20歳で崇仁の弟子となり、この時に戒名として「伝印」という名を与えられました。1954年には、江西省雲居山の真如禅寺において、虚雲のもとで具足戒を受け、正式な僧侶としての道を歩み始めます。その後、中国仏学院で仏教の専門的な知識を深めましたが、文化大革命の波に飲み込まれ、その後の活動は一時的に制約を受けることになります。

文化大革命後、1978年秋に浙江省天台県の国清寺に移住し、仏教の研究と実践を再開しました。1981年から1983年には日本に留学し、佛教大学で学び、日本の仏教文化に触れる機会を得ました。この留学経験は、彼の仏教観に新たな視点をもたらしたと考えられます。

帰国後、伝印は中国仏教界において重要な役割を担うようになります。1994年8月には、江西省廬山東林寺の住職に就任し、寺院の復興と運営に尽力しました。1999年2月には、北京市仏教協会会長に就任し、首都における仏教の発展に貢献しました。そして、2010年2月には、中国仏教協会会長という中国仏教界の最高位に就任し、その指導力を発揮しました。

2023年3月11日、伝印は江西省九江市廬山東林寺にて97歳で逝去されました。彼の生涯は、中国仏教の激動の時代を生き抜き、仏教の復興と発展に尽力したものでした。彼の功績は、中国仏教界に深く刻まれており、多くの人々に敬愛されています。

伝印の業績は、中国仏教界の発展に大きく貢献しただけでなく、日中間の仏教交流にも重要な役割を果たしました。彼の足跡は、これからも多くの人々に影響を与え続けることでしょう。

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