伝燈寺

伝燈寺 (でんとうじ)

伝燈寺（チョンドゥンサ）は、韓国の仁川広域市江華郡にある美しい仏教寺院です。この寺院は、韓国仏教界の主流である曹渓宗（大韓仏教曹渓宗）の末寺に位置し、その歴史は約1600年を遡ると言われています。

歴史の概要

伝燈寺の創建は381年、高句麗の小獣林王の時代に、阿道和尚によって設立されたと伝えられていますが、詳しい記録は残っていません。この創建が事実であれば、伝燈寺は朝鮮半島で最も古い寺院の一つとなります。伝燈寺の歴史は非常に古いものの、国の重要な歴史的な出来事の影響を大きく受けてきました。

高麗時代には何度も修復が行われ、1266年には真宗寺と呼ばれていたこの寺で高麗八万大蔵経の版木が彫刻され、後に海印寺に移されました。1282年には忠烈王の王妃が寺院を重建し、現在の「伝燈寺」という名前に改名されました。この名前は仏法の灯を伝えるという意味が込められているとされています。

李氏朝鮮時代には、仏教に対する弾圧が行われ、伝燈寺は1415年と1424年にいずれも廃寺となりました。1640年には大火によって寺院の大部分が消失しましたが、1621年に再建が果たされました。特に粛宗の時代には『朝鮮王朝実録』の保管地点としても利用されました。

日本の統治時代、1911年には寺院としての地位が認められ、朝鮮三十一本山に指定されるなど、重要な文化財としての役割が強化されました。

文化財とその重要性

伝燈寺には、いくつかの貴重な文化財が存在しています。代表的なものとして、江華伝灯寺の大雄殿や薬師殿は、どちらも朝鮮中期に建てられたもので、重要な宝物となっています。また、多数の像や板、鐘なども保存されており、それぞれが寺院の歴史と信仰を物語っています。このような文化財は、韓国の仏教文化を理解する上でも非常に価値があります。特に、江華伝燈寺大雄宝殿にある三尊仏坐像や、薬師殿にある石仏などは、訪れる人々に深い印象を与えています。

また、伝燈寺の敷地内には多くの歴史的な建物が点在しており、訪れる人々はその荘厳な造形美や歴史的背景を感じ取ることができます。これらの文化財は、いずれも仁川広域市の有形文化財に指定され、地域の文化を象徴する存在となっています。

まとめ

伝燈寺は、韓国の豊かな仏教文化を感じることができる場所であり、その悠久の歴史は、訪れる人々にとって深い学びをもたらしてくれます。観光名所としてだけでなく、精神的な修行の場としても重要なので、訪問する際には心の平穏を求めてみることをお勧めします。

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