佐々木健一 (美学者)

佐々木健一

佐々木健一（ささき けんいち）氏は、1943年1月26日生まれの日本の美学者であり、東京大学の名誉教授です。彼は東京を故郷とし、文学と芸術に深い関心を持って育ちました。

学歴と経歴

1965年、東京大学文学部フランス語フランス文学専修課程を卒業した後、1971年に同大学院人文科学研究科の美学藝術学博士課程を満期退学しました。その後、彼は東京大学で助手としてキャリアをスタートさせました。在職中、1974年には埼玉大学専任講師、1976年に助教授、1980年からは東京大学文学部助教授として教鞭を執り、1989年には教授に昇格しました。2004年に官定年を迎えた後は、日本大学文理学部哲学科で教授として活躍しました。彼はまた、東京大学の名誉教授に任命されています。

受賞歴

佐々木氏の業績は高く評価されており、1982年に発表した著書『せりふの構造』により、サントリー学芸賞を受賞しました。1997年には「フランスを中心とする18世紀美学史の研究」という論文をもって文学博士号を取得しています。

著作リスト

佐々木氏は多くの著作を残しており、その内容は美学、哲学、演劇など幅広い分野にわたります。主な著作には以下があります：

• - 『せりふの構造』（筑摩書房、1982／講談社学術文庫、1994）
• - 『作品の哲学』（東京大学出版会、1985）
• - 『演出の時代』（春秋社、1994）
• - 『美学辞典』（東京大学出版会、1995）
• - 『エスニックの次元 ―《日本哲学》創始のために』（勁草書房、1998）
• - 『ミモザ幻想－記憶・藝術・国境』（勁草書房、1998）
• - 『フランスを中心とする18世紀美学史の研究―ウァトーからモーツァルトへ』（岩波書店、1999）
• - 『タイトルの魔力―作品・人名・商品の《なまえ》学』（中公新書、2001）
• - 『美学への招待』（中公新書、2004、増補版2019）
• - 『日本的感性　触覚とずらしの構造』（中公新書、2010）
• - 『ディドロ『絵画論』の研究』（全3巻組、中央公論美術出版、2013）
• - 『論文ゼミナール』（東京大学出版会、2014）
• - 『とりどりの肖像』（春秋社、2022）

共著および翻訳

また、彼は共著や翻訳にも力を入れています。例えば、太田光氏や田中裕二氏と共著で『爆笑問題のニッポンの教養 爆問学問 25　人類の希望は美美美 美学』を出版しました（講談社、2008）。翻訳では、アンリ・グイエの『演劇の本質』や、E.ジルソンの『絵画と現実』など多数の作品があります。

メディア出演

佐々木氏はメディアにも出演しており、2008年にはNHKの「爆笑問題のニッポンの教養」に登場しました。

結論

美学者としての佐々木健一氏の業績は、日本の哲学や美学の発展に大きく貢献しています。彼の研究や著書は、今後も多くの人々に影響を与え続けることでしょう。

もう一度検索