佐々重

株式会社佐々重：仙台味噌の老舗、その歴史と伝統

株式会社佐々重は、宮城県仙台市若林区に拠点を置く、味噌・醤油の醸造販売会社です。安政元年（1854年）に創業した、仙台味噌の老舗として知られています。

佐々重の歴史

佐々重の屋号は、代々の当主が受け継いできた佐々木重兵衛の名に由来します。2008年時点での社長は、2006年10月に9代目として就任した佐々木淳一郎氏です。

藩政時代

佐々重が味噌の販売を始めたのは、1854年（安政元年）。仕込みはそれより3年前の1851年（嘉永4年）でした。仙台味噌は伊達政宗の時代に始まったとされ、佐々重は幕末に創業した新興勢力でした。当時、味噌は自家製造が一般的でしたが、佐々重は自ら路地裏を歩き、味噌を販売することで成功を収めました。

明治から戦前

明治時代に入ると、仙台は経済的な沈滞期を迎えます。しかし、佐々重は一般消費者向けの需要を捉え、事業を拡大。明治末期には、佐々木重兵衛は仙台市で3番目の高額納税者となり、広大な土地を所有するまでになりました。また、業界のリーダーとして、宮城県味噌醤油醸造同業組合の設立に尽力し、初代組長に就任しました。

1919年（大正8年）には、仙台の味噌醤油業者と共同で仙台味噌醤油株式会社を設立。「ジョウセン」ブランドで知られるこの会社は、現在では仙台味噌の最大手となっています。佐々重は1937年（昭和12年）に株式会社に組織変更しました。

1927年（昭和2年）には、7代目の重兵衛が仙台七夕の始まりを提唱し、その発展に貢献しました。

戦後

1945年（昭和20年）の仙台空襲で店舗と工場を焼失した佐々重は、製造部門を仙台味噌醤油株式会社に移し、販売に特化することに。佐々重の社長である佐々木淳一郎は、2008年（平成20年）5月まで仙台味噌醤油株式会社の社長を務め、その後会長に就任しました。

戦後の復興期には、店舗を東二番丁通り沿いに移転。1973年（昭和48年）には8階建ての佐々重ビルを建設し、その1階を店舗としました。2007年（平成19年）には、建て替えのため自社ビルを売却し、本町に店舗を移転しました。

現在の佐々重

佐々重は現在、「本場仙台味噌」をはじめとする味噌・醤油や、「仙台みそ味かりんとう」など味噌を素材にした菓子類、全国各地の伝統的な食品を販売しています。オンラインストアも展開しており、全国どこからでも佐々重の商品を購入できます。

佐々重は、仙台味噌の伝統を守りながら、新しい商品開発や販売方法にも積極的に取り組んでいます。その姿勢は、多くの人々に支持されており、仙台を代表する老舗企業として、今後も発展していくことが期待されます。

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