西海国立公園

西海国立公園

西海国立公園は、長崎県西部に広がる、多様な景観と豊かな自然を有する国立公園です。1955年3月16日に、日本で18番目の国立公園として指定されました。キャッチフレーズは「島と海、自然と文化のクルスロード」です。

特徴

西海国立公園の最大の特徴は、リアス海岸と点在する島々が生み出す、変化に富んだ多島海の景観です。九十九島をはじめとする200以上の小島が複雑に入り組む内湾は、その独特な美しさで人々を魅了します。また、平戸島や五島列島など、歴史や文化が色濃く残る島々も含まれており、自然景観と歴史的遺産が調和した、他に類を見ない魅力的なエリアです。

指定区域

公園区域は、以下の3つの地域に大きく分けられます。

九十九島地域: リアス海岸と無数の島々が織りなす景観が特徴です。
平戸・生月地域: 交易の歴史や潜伏キリシタン文化が残る地域です。
五島列島地域: 火山活動によって形成された独特の地形と、美しい海岸線が特徴です。

指定面積

陸域は計24,646ヘクタールで、特別保護地区、第1種～第3種特別地域、普通地域に区分されています。海域は約54,000ヘクタールに及び、海域公園地区も設定されています。

指定までの経緯

西海国立公園の指定は、戦後の混乱期における地域経済復興の動きと深く関わっています。当時、佐世保市長であった中田正輔氏が、雲仙国立公園の成功に着目し、地域経済活性化の手段として国立公園の誘致を提唱しました。この動きは、戦後の地方自治体主導による国立公園誘致運動の先駆けとなりました。

当初、九十九島地域は軍港に近かったため、写真撮影が制限されるなど、観光地としてはあまり知られていませんでした。しかし、中田市長の熱意と、地域住民や関係機関の尽力によって、1950年に「西海国立公園指定期成会」が設立され、国立公園実現に向けた活動が本格化しました。東京大学、京都大学、長崎大学に周辺調査を依頼し、厚生省への陳情を重ね、最終的に1954年に国立公園として認められました。

火山

小値賀島や宇久島は、火山活動によって形成された島です。

主な観光スポット

各地域には、以下のような見どころがあります。

九十九島地域
九十九島: 無数の島々が織りなす絶景。
西海パールシーリゾート: 九十九島を遊覧できる観光施設。
烏帽子岳: 九十九島を一望できる展望台。
弓張岳: 佐世保市街と九十九島の両方を望める。

平戸・生月地域
川内峠: 平戸島を一望できる峠。
黒子島: アコウなどの原生林が残る島。
阿値賀島: 国の天然記念物および天然保護区域。
塩俵断崖: 生月島西岸にある柱状節理の断崖。

五島列島地域
ポットホール: 小値賀町斑島にある奇岩。
福江海中公園: 海中を観察できる施設。
大瀬埼灯台: 五島列島のシンボル。

関連する曲

西海国立公園をテーマにした以下の楽曲があります。

西海讃歌（作詞：藤浦洸、作曲：團伊玖磨）
九十九詩人（作詞：阿久悠、作曲：羽田健太郎）
西海ブルース（内山田洋とクール・ファイブ、作詞：永田貴子、作曲：尾形よしやす）

関係市町村

西海国立公園に関係する市町村は以下の通りです。

佐世保市
平戸市
五島市
西海市
北松浦郡小値賀町
* 南松浦郡新上五島町

西海国立公園は、その美しい景観と豊かな自然、そして歴史と文化が融合した魅力的な場所です。ぜひ一度訪れて、その魅力を体感してください。

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