臼田駅

臼田駅：歴史と変化を刻む山間の駅

長野県佐久市下越に位置するJR東日本小海線の臼田駅は、1915年（大正4年）、佐久鉄道中込～羽黒下間の開通に伴い、三反田駅として開業しました。当初は旅客と貨物の取扱いを開始し、地域の経済活動を支えていました。その後、1934年（昭和9年）には佐久鉄道の国有化により鉄道省小海北線（のちの小海線）の駅となり、1963年（昭和38年）には自治体合併に伴い、現在の駅名である臼田駅へと改称されました。

開業以来、長きにわたり地域住民の生活を支えてきた臼田駅ですが、時代の変化とともにその姿を変えています。1970年（昭和45年）には貨物取扱いが廃止され、1984年（昭和59年）には荷物扱いも廃止となりました。さらに、1987年（昭和62年）の国鉄分割民営化により、JR東日本の駅となりました。

近年では、2020年（令和2年）にATACSを応用した地方交通線向け列車制御システムの導入に伴い、交換設備が廃止され、2021年（令和3年）には小淵沢方面のホームが廃止となり、単式ホーム1面1線となりました。そして、2024年（令和6年）3月にはみどりの窓口が営業を終了し、4月からは簡易委託駅へと移行しました。

駅舎は木造で、かつては2面3線の構造でしたが、現在では単式ホーム1面1線のシンプルな構造です。佐久市が窓口業務を受託し、自動券売機が設置されています。

利用状況は、JR東日本によると、2023年度の1日平均乗車人員は159人です。2000年度以降の乗車人員データを見ると、利用状況の変化を分析することができます。

臼田駅の周辺には、佐久市臼田支所（旧・臼田町役場）、佐久市立臼田中学校、長野県厚生連佐久総合病院、龍岡城、佐久市立田口小学校、臼田駅前簡易郵便局、ツルヤ臼田店などがあります。また、日本で海から最も遠い地点への最寄駅としても知られています。交通手段としては、平日のみ佐久総合病院への送迎タクシーが運行されており、かつては千曲バスが運行していましたが、2019年11月1日からは高原タクシーが運行を引き継いでいます。

隣の駅は、小海線上では青沼駅と龍岡城駅です。ただし、臨時快速「HIGH RAIL 1375」の停車駅については、別途確認が必要です。

臼田駅は、歴史と変化を刻みながら、今日も静かに山間の地域を見守っています。かつての賑わいを偲ばせる木造駅舎と、現代的な列車制御システムの導入という対比が、この駅の時間の流れを感じさせます。これからも地域住民にとって大切な拠点として、その役割を担い続けることでしょう。

もう一度検索