佐多忠増

佐多忠増（さた ただます）

佐多忠増は、戦国時代から江戸時代初期にかけての武将で、薩摩国島津氏の家臣として活躍しました。敷根（現在の鹿児島県霧島市国分敷根）、百次（薩摩川内市百次町）、串良（鹿屋市串良町）の地頭を歴任し、領地の経営にも携わりました。

生涯

天正4年（1576年）、伊東氏の高原城攻めで初陣を飾り、その武勇を示しました。その後、天正6年（1578年）の耳川の戦いでは、島津軍で一番乗りを意味する「太刀初」を遂げ、その名を轟かせました。さらに、天正8年（1580年）の肥後国矢崎城攻めでは、一日に行われた四度の合戦のうち二度も太刀初を記録するという目覚ましい活躍を見せました。

佐多忠増の活躍はこれにとどまらず、天正13年（1585年）の甲佐での戦い、翌天正14年（1586年）10月の戸次合戦（戸次川の戦いとは異なる）においても太刀初を遂げ、その武勇は島津家中で高く評価されました。

島津家が豊臣秀吉に降伏した後、忠増は島津義久の初上洛や、久保の小田原征伐出陣に随行しました。小田原征伐では忍城まで従軍し、石田三成から兵糧米や酒肴などを贈られています。また、慶長9年（1604年）には、島津義久が国分新城へ屋敷を移す際、陰陽博士である賀茂在信に吉凶を占わせるために上洛するなど、使者としても活躍しました。

慶長14年（1609年）の琉球攻め、慶長19年（1614年）の大坂冬の陣にも出陣し、武将としての役割を全うしました。忠増は、寛永18年（1641年）にその生涯を閉じました。


佐多忠増は、戦国時代から江戸時代初期にかけて、数々の戦で先駆けを務め、その武勇は島津家中に轟きました。また、主君の使者としても活躍し、多方面でその才能を発揮した人物として、歴史に名を残しています。

参考文献

* 『本藩人物誌』 鹿児島県史料集（13）（鹿児島県史料刊行委員会）

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