佐渡小木地震

佐渡小木地震について

佐渡小木地震（さどおぎじしん）は、1802年12月9日（享和2年11月15日）に佐渡島の小木付近で発生した地震で、マグニチュードはおおよそ6.5から7.0と推定されています。この地震は享和佐渡地震とも呼ばれ、震源地は佐渡島の南方海域（東経138.35°、北緯37.8°）に位置していると考えられています。特筆すべきは、この地震によって津波は発生しなかった点です。

地震の影響としては、小木半島の海岸で約2メートルの地盤隆起が観察され、露出した中新世の枕状熔岩が見られるようになりました。これはこの地域の地殻変動を示す重要な証拠でもあります。

地震の規模

地震学者の河角廣は、この地震に関してマグニチュード6.6を提案しています。一方で宇佐美龍夫は、マグニチュードを6.5から7.0の範囲で見積もり、震度5の範囲を約30キロ[[メートル]]とするとマグニチュード6.6から6.7とする見解を示しています。これらの評価からも、この地震の規模の大きさがわかります。

被害の状況

佐渡小木地震によって、特に小木地域に甚大な影響があり、多くの住宅が壊滅的な被害を受けました。『大日本地震史料』によれば、小木町には453戸の住宅があったにもかかわらず、そのほとんどが全壊し、火災によって328戸の家屋が焼失しました。また、土蔵23棟やいくつかの寺院も焼失し、死者は18名に達しました。地形が大きく変化し、干潟が形成されるなど、地震の影響は広範囲に及びました。

当時の史料である『佐渡年代記』には、地震発生時の様子が記載されており、最初に10時ごろに軽い揺れがあった後、14時ごろに強い揺れが訪れたとのことです。この記録からも、地震の発生がどのような状況であったのかを知る手がかりとなります。興味深いことに、金鉱山の作業員たちは数日前から地震の前兆を感じ、作業を中止していたため、坑道内での犠牲者は出なかったと言われています。

具体的な被害の数値として、以下のデータがあります：

• - 焼失した家屋：328
• - 壊れた家屋：732
• - 破損した家屋：1423
• - 焼死者：14
• - 圧死者：5
• - 負傷者：2

この数字からも、地震による影響の深刻さが伺えます。

地震の活動周期

小木地域の地質学的調査によると、この地域における地震の発生周期はおおよそ5000年から9000年と考えられています。つまり、佐渡小木地震が最後の大きな地震であった1802年から次回の兆候が示されるまでには長い時間がかかる可能性があることが示唆されています。

関連項目

関連する地質学的な視点や地震帯については、日本海東縁変動帯が挙げられます。この変動帯は、地域の地震活動に大きく寄与していると考えられています。

出典

情報の根拠として、理科年表第85冊（丸善出版、ISBN 9784621084380）や、史料にもとづく研究が参考にされています。さらには、『歴史地震』第25号（2010年）での論文も、佐渡小木地震に関する重要な情報を提供しています。

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