中新世

中新世について

中新世（ちゅうしんせい、英：Miocene）は、新第三紀の第一世にあたる地質時代であり、約2,300万年前から500万年前までの期間を指します。この時代は、メッシニアン、トートニアン、サーラバリアン、ランギアン、バーディガリアン、アキタニアンの6つの期に分けられています。

大陸と環境の変化

この時期の大陸の配置は、ほぼ現代に近いものでしたが、北アメリカ大陸と南アメリカ大陸はまだ分かれていました。また、ヨーロッパのアルプス山脈や北アメリカのロッキー山脈で活発な造山運動が起こっていました。日本列島はユーラシア大陸から分離し、その結果として日本海が形成されました。この過程では、海底火山の活動により、各地で「グリーンタフ」と呼ばれる凝灰岩層が発達しました。

また、この時期は海面が低下し、ジブラルタル海峡が閉じることで、地中海は塩分濃度が非常に高い環境になりました。このような状態は、鮮新世の初め頃まで続くことになります。

気候と環境

中新世は、新第三紀の中でも特に気温が高く、全体的に温暖な気候に恵まれていましたが、時が経つにつれて徐々に寒冷化が進展しました。南極大陸では氷床が発達・拡大し、時代の終わりには大陸の大部分を覆うようになりました。この氷床の拡大が、さらに地球を冷却し、後の氷河期の到来を引き起こすことにつながるのです。

生物の進化

生物種はこの期間において、現在の生物により近い形へと進化しました。オオカミ、ネコ、ウマ、ビーバー、鯨偶蹄類（シカやラクダなど）、カラス、カモ、フクロウ、さらにはメガロドンといった多様な生物がこの時代に存在しました。また、ヒト科の祖先もこの時期に登場しました。

アフリカ大陸がユーラシア大陸と繋がったことにより、生物の移動が活発になり、北アメリカとユーラシアの間でもベーリング陸橋を通じて生物が行き来していました。このような生物の交流があった一方で、大型哺乳類の一部（肉歯目、束柱目など）は絶滅し、奇蹄類も次第に減少しました。しかし、長鼻目（ゾウ類）はアフリカからの領域を広げ、その繁栄を見せ、偶蹄類も勢力を伸ばしました。

植物面では、C4型光合成を行う種類が増大し、環境に適応した多様な植物群が成立しました。特に、孤立していた南アメリカ大陸やオーストラリア大陸は他の大陸とは異なる独自の動物相を持っていました。

このように、新生代中新世は地球の環境や生物相の変化を示す重要な時代であり、後の地質時代への布石となる出来事が多く発生しました。この時期に形成された生態系は今後の進化と結びつき、様々な生物の繁栄へとつながったのです。

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