佐藤伸朗

佐藤伸朗（さとう のぶお）氏は、1959年4月10日に北海道で誕生した日本の技術士です。都市計画を専門分野とし、東京大学工学部都市工学科で学びました。大学を卒業後、1983年に東京都庁へ奉職し、長年にわたり都市づくりや交通インフラ整備に深く関わります。

都庁入庁後のキャリア初期においては、まず2001年に葛飾区都市計画部にて、立石・四つ木地区の街づくりや鉄道立体化事業を担当する課長を務めました。続いて、2006年には東京都知事本局政策部の政策担当課長として、都政の根幹に関わる政策立案業務に携わりました。これらの経験を通じて、区市町村レベルから都庁本局レベルまで、多岐にわたる行政実務に精通していきます。

その後、東京都都市整備局に移り、重要なポストを歴任します。区画整理課長としてまちの基盤整備に関わったほか、首都高速道路株式会社にも出向し、計画・環境部で担当部長を務め、広域的な交通網の整備と環境配慮に関する経験を積みました。都庁に戻ってからは、都市整備局の企画担当部長（2012年）として、都市計画の企画・調整機能を担います。2013年には防災都市づくり担当部長に就任し、首都直下地震などに備えた都市の安全対策強化に力を尽くしました。2014年には都市基盤部長として、道路、鉄道などの都市インフラ整備全般を統括する立場となります。

2015年には都市整備局の理事に昇任し、航空政策、交通基盤整備、交通政策といった、都政における極めて重要な交通関連施策全般を担当しました。この時期を通じて、東京の国際競争力を高めるための交通ネットワーク整備や、都民生活を支える公共交通の維持・発展に貢献しました。そして2018年には、東京都都市整備局長に就任。同時に東京都技監を兼任し、都庁における技術系職員のトップとして、都市計画、建築、土木など多分野にわたる技術的な課題解決と政策推進を指揮しました。局長・技監在任中には、首都圏新都市鉄道株式会社と多摩都市モノレール株式会社の取締役も兼務し、関連する交通事業運営にも深く関与しました。2019年からは東京都技監の職務をより重点的に担うこととなります。

東京都庁を退職した後の活動も多岐にわたります。2020年には公益財団法人東京都公園協会の理事長に就任し、都立公園の管理運営や緑地環境の保全・創出を通じて、都民の憩いの場づくりに貢献しました。また、同年に東京都参与も務め、専門的な知見に基づき都政運営への助言を行いました。2023年からは、建設資源の有効活用を推進する建設資源広域利用センターの代表取締役社長として、循環型社会の実現に向けた取り組みを率いています。

これらの主要な役職に加え、教育・研究機関での活動や行政委員会への参加経験も豊富です。神奈川大学法学部では非常勤講師として教鞭を執り、後進の育成に携わりました。また、府中市の都市計画審議会委員として、地域に根差した都市計画の策定に識見を提供。さらに、明治大学大学院ガバナンス研究科の客員教授としても、公共政策や都市ガバナンスに関する研究・教育活動を行いました。技術士（都市及び地方計画）の資格を持ち、多角的な視点から日本の都市計画・都市づくりに貢献し続けている人物です。

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