佐藤千尋

佐藤 千尋（さとう ちひろ）

1989年10月22日生まれ、岩手県出身。元女子プロ野球選手として、主に内野手として活躍しました。

野球との出会いとアマチュア時代

野球を始めたのは、小学校3年生の時。地元のスポーツ少年団でソフトボールに触れたのがきっかけです。中学、高校時代は遊撃手としてチームを牽引。岩手県立一関第一高校では、2年生の秋に主将として新人戦優勝を果たし、翌春の全国選抜大会にも出場するなど、中心選手として活躍しました。

高校卒業後は、北海道教育大学岩見沢校へ進学。当初は野球部をサポートするマネージャーとして活動していましたが、再び選手としてプレーすることを強く望み、2年春に選手へと転向。これが同大学初の女子プレーヤー誕生となりました。大学時代は主に二部リーグで経験を積み、2年秋には初の安打を記録。4年生の秋に行われた二部最終戦では、「9番・二塁手」として先発出場し、フルイニングをプレーしました。

大学では、中学と高校の保健体育教員免許を取得しました。プロ入り後も、通信教育を利用して小学校教員免許の取得を目指すなど、教育者としての道を視野に入れていました。

プロ野球選手としてのキャリア

2011年、日本女子プロ野球機構の第3回トライアウトに合格し、プロへの扉を開きました。同年12月23日には、兵庫スイングスマイリーズへの入団が発表され、背番号は26に決定しました。

プロ1年目となる2012年シーズン、3月26日に京セラドーム大阪で行われた開幕戦でプロ初出場を果たします。4回の代打での登場でショートゴロに倒れたものの、この間にランナーが生還し、プロ初打点を記録しました。その後、4月7日の試合では「2番・セカンド」として初のスタメン出場。シーズンを通してレギュラーとして出場機会を得て、最終的に39試合に出場し、打率.275、10盗塁という確かな成績を残しました。守備面では、二塁手をはじめ、遊撃手、三塁手、外野手としても起用され、複数のポジションをこなせるユーティリティプレーヤーとしての能力を発揮しました。一方で、7失策を記録するなど、課題も見られました。

2013年、リーグ再編に伴い、大阪ブレイビーハニーズから継承されたノース・レイアの一員となりました。このシーズンは45試合に出場し、打率.288の成績を残しました。

2015年には、埼玉アストライアへ移籍。新天地でプレーを続け、2018年シーズンからはチームをまとめるキャプテンに就任しました。そして、プロ野球選手として最後のシーズンとなった2019年には、愛知ディオーネへ移籍しました。

2019年11月1日、そのシーズン限りで女子プロ野球リーグを退団することが正式に発表され、プロ野球選手としてのキャリアに幕を下ろしました。

教育者・指導者へ

プロ野球選手としての現役生活を終えた後、佐藤千尋氏は教育者への道を歩み始めました。2020年4月からは、駒澤大学附属苫小牧高等学校に保健体育教員として赴任しました。同時に、同校の女子硬式野球部部長に就任。自身の経験を活かし、次世代を担う若い選手たちの指導にあたっています。プロ野球選手として培った技術や経験、そして教育者としての視点を持ち、後進の育成に力を注いでいます。

プロ野球の世界で活躍した経験と、教育への情熱を併せ持つ彼女は、選手としても指導者としても女子野球界に貢献し続けています。

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